漫画感想/藤本タツキ短編集 22-26(藤本タツキ)





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天才が形になるまでの、足掻いた軌跡

若き天才の3カ月連続刊行ラストを飾る『藤本タツキ短編集 22-26』が発売されました。タツキ先生の読み切り4編とあとがきを収録。

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■人魚ラプソディ

タツキ先生が普通の話を描けないと焚きつけられて描いた話。確かにふつう、作者隠して読んだらタツキ先生だと気が付かないと思う。諦念や絶望がなく、比較的幸せなところに着地している。若い時期の短編集『17-21』だったら、主人公が食べられENDとかだったと思う。主人公や女の子を(漫画的に)可愛くしようと足掻いた跡がところどころに見える。

 

■目が覚めたら女の子になっていた病

前半の不快パートが、後半の怒涛の展開の伏線になっているので仕方ないが、若干冗長感がある。オチも他の短編と比べるといまいちな感じがする。いろんな作風を試した跡だと思う。

 

■予言のナユタ

【個性的なキャラクター】と向き合った結果に生み出されたナユタ。兄と妹、人外キャラ、終末思想、民衆など、後の『ファイアパンチ』に繋がる属性が垣間見えます。ナユタはお気にいりだということも含め、タツキ先生が好きな構成要素なんでしょうね。

 

■妹の姉

『ルックバック』の下敷きにあたる作品。これジャンプSQ.で読んだときぶっ飛んだなぁ。個人的にはタツキ先生の短編で一番好き。姉妹の関係性、停滞&覚醒、美術など、藤本タツキの得意で描きたい要素が無理なく散りばめられていて、画風も藤本タツキの個性が屹立していると感じられる。ここから『ルックバック』には、進化したとも言えるし、解像度が上がって嫌な部分も見えるようになってしまったともいえる。実際の事件を連想させるのはちょっと”しんどく”感じてしまう。個人的には、読みやすい【少年漫画】の範囲に綺麗に収まっている本作が好きである。停滞から復活という爽快な成長曲線を見たい、ベタなテーマでも藤本タツキが描く、それを読みたいと思わせるのだ。

 

チラシ裏のコーナー
あとがき普通に気持ち悪い奇行エピソードで吹いた。天才だよタツキ先生は。

 

 

 





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