映画感想/シン・ウルトラマン(樋口真嗣・庵野秀明)





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5月13日公開、企画・脚本:庵野秀明、監督:樋口真嗣の『シン・ウルトラマン』を早速見てきました。自分はウルトラマンにさしたる思い入れがないのだけど、『シン・ゴジラ』はゴジラ未見でも3度劇場に行って号泣するくらい楽しめたので、同じ体験を期待して劇場へ。

以下、雑感。どうしてもネタバレありになってしまうので、是非本編を見てから触れてほしい。ファーストインパクトが非常に大事な作品だと思う。

 

■上映前予告の『シン・仮面ライダー』で新規映像が公開。仮面ライダーも詳しくない自分だが、明らかに“見たことあるような場所で見たことあるような構図”の映像でワクワクしてしまう。

開始30秒のスピード感。あの字幕と情報量に振り落とされそうになる感じシンゴジラを思い出して楽しくなる。完全に気持ちを掴まれた。情報を追いきれない中でも「倒しきれなかった禍威が逃走」とかを見て、これが後で突然飛来する伏線になるんだな!と思ってたらそんなことなかった。あとで元ネタ知ったけど、完全にやりたいだけでやったのか!!このパートだけ数回繰り返してみたくなる疾走感にハマる。

■予告でも押し出されていたウルトラマンの異形感。ぬめぬめした銀色やその立ち振る舞いにゾワッと来る。このファーストインパクトは変えがたい体験なので、みんなに味わってほしい。禍威獣は怪獣のテンプレートというか枠に収まっている感じがあるけど、ウルトラマンは明らかに、ヒーローとしてのウルトラマンではない表現を目指しているのが分かってドキドキした。このファーストインパクトは変えがたい体験なので、みんなに味わってほしいかも。

■シンゴジでも見た、巨大生物発生時の政治や各国の動きなどは健在。すべて会議で決めるので時間かかるネタとか政治家が無能表現が少な目なのでそこがストレスになってた人には良いと思う。室長とかがちゃんと仕事してた。「こっちはなんとかするから現場は頼むぞ」はかっこいいよね。政府が外星人との交渉にあっさり乗ってたり、そこはリアリティよりウルトラマンとしての流れを大事にしたのかな。シンゴジラに続いて竹野内豊出てきた。同じ役名ではないみたいだけど、自分の中で話の分かる出来る政治家のスタンダードが竹野内豊になってしまった。存在感が凄い。

■神永や外星人の演技が最高によかった。感情を排した演技が、逆説的に感情あるのは地球人だけ(もしくは同じ表現方法ではない)というのが非常にリアルに感じた。メフィラス星人役の山本耕史さんの怪演はすさまじかった。これ脚本段階でこんなに台詞や尺あったのかな?演技見て増やしたレベルですごかった。公園のブランコも、「河岸を変えよう」からの居酒屋も、うさん臭さと宇宙人らしさが同居した異常な雰囲気が最高でした。

■シンゴジラにあった緊張感はないけど、ウルトラマンの少し緩いSFオムニバス感はこうなんだろうなーというのはなんとなく伝わった。シンゴジの台詞やカットを詰め詰めで行く感じが好きな人は物足りないのかも。いろんなところに理由がちゃんと用意されているのが、ウルトラマンや特撮知らない層に嬉しい。普通、何で地球に怪獣でてくるんだよ、とかなんでウルトラマン助けてくれるんだよ、とかいろいろ思っちゃうもんな。

■ドリルの中や、宇宙に漂うアレ、デザインがめちゃくちゃカラーだなって思った。自分は世代的に雑に「使徒」だって思っちゃうけど、ウルトラ怪獣に愛着ある人はどうだったんだろう。

■監督じゃないからそういう表記なんだろうけど、スタッフロールに何度も「庵野秀明」が、様々な役職で登場していてなんか可笑しかった。宣伝統括とか、編集とか、脚本だけじゃなく結局全部に目を配ってるんだろうなぁ。そしてモーションアクターにも入っていて、どこのモーションやったのか気になった。

 

ウルトラマンの文脈を知らなくてもファーストコンタクトものSFとして普通に楽しめると思う。庵野監修らしく相変わらず情報量が多い作品なので、元ネタ情報拾ってもう一度見に行きます。不勉強なりに制作者側のリスペクトをしっかり受け取りたいとは思っているので。これからも、新たな来訪者に愛と友情を。





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