漫画感想/「子供を殺してください」という親たち 3巻(鈴木マサカズ・押川剛)





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衝撃の実話ドキュメンタリー『「子供を殺してください」という親たち』3巻です。

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本作は、実話ベースなので、一般的なフィクション作品では見られない展開ばかりです。いまだ未解決で継続的な問題。治療を受け改善したケースを紹介するもの。突然にバッドエンドを迎えた事例。作られた物語ではなく、ただただ事実が連なり紹介されます。

「命より金を選択したとき家族は崩壊する。ただ、、、それだけだ」よくない結果を知った押川さんのつぶやきです。ただ、、、それだけ、、。この作品には描かれきれない多くの事例があることを物語っています。

そして印象深かったのは、#11~13「「ふつう」の家庭に育つ闇」です。元交際相手のストーカーになってしまった青年と家族の話です。

「普通に」「問題なく」って一体どんなやつだよ

人間が一人赤ん坊から大人になっていくんだぞ

そんなもの問題があってあたりまえだ

押川さんのこの言葉が響きます。恋愛トラブルはさほど珍しいものではありません。どこにでも起こりえることと向き合ってこなかったことが積み重なって、不幸な事件になってしまいました。本作では長めの3話を使って本人や家族、元交際相手など複雑な背景が丁寧に描写されています。本作屈指のエピソードだと思います。精神疾患や薬物などより近い「ふつう」の闇、近くに潜んでいる、いや自分もはらんでいるかもしれない問題にぞっとしながら読み進めました。ラストは良い方向を示唆する結末で安堵のため息を深く吐きました。

 

 





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