漫画感想/金剛寺さんは面倒臭い 3巻(とよ田みのる)





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「このマンガがすごい!」2019年オトコ編2位!圧倒的熱量で話題沸騰『金剛寺さんは面倒臭い』3巻が発売されました。第11話から15話までが収録されています。色数は少ないのにカラフルに光を感じられる表紙がとても印象的です。

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3巻のハジマリからしてコレ。なぜかナレーションはあらすじや結末を先に言ってしまうのですが、熱量に引っ張られ物語の大筋を知っていても気持ちよくページを捲らされてしまいます。俺が知ってる漫画の構成と違う。本編と”本編に大きく関わりのない物語”たちが織りなす情報量が多く、金剛寺さんの理屈台詞は文字も多く一見、騒々しい絵が多いです。しかし樺山くんと金剛寺さんの瑞々しいやりとりが素晴らしく、馴れるとすぐに濃厚なマリアージュに見えてきます。熱量の高いナレーションも本編に大きく関わりのない物語たちも、すべてが2人を祝福して、2人の物語に繋がっているというのがわかると、とたんに読みやすくなるから不思議です。これがクセになるとやめられない。

第12話「AFTER SHOCK」はラブコメの常識を変える一話です。2人の未来をそこそこ長尺で描き「そして二人は結婚したッ!!めでたしめでたしッ!! HAPPY END」とぶち上げた挙句に「がッ!!それは未だ先の話ッ!!」と一コマで現実に戻ってくるの、どんだけ構成上手いんだよ!ギャグじゃなくて真面目にこれできるのは、本当にすごい。相当に自分の表現力を信じないとできない構成です。1、2巻でもこういうのはあったけど、結婚や老後まで描いておいて、それを伏線に使うの、時間軸がめちゃくちゃくすぎてめちゃくちゃ面白い。なんであんまり関係ない未来まで話しちゃうの?ナレーション2人のこと好き過ぎでしょ?ナレーションは実は未来の金剛寺さんとか誰かキャラなんじゃないの?

第14話は、漫画では初めての読書体験になりました。シリアスな話なので比べにくいですが、最近の作品で言うとアニメ『ポプテピピック』のような繰り返しの妙が非常に面白い。もちろん、ページ上段と下段という漫画ならではの表現で、どういう風に読むのかは読者次第。しかし、「上段を通して読んでから下段読むのがオススメ」と言われても、下段無視して上段だけを読み進められる人間がいるだろうか。そこまで手のひらで転がされている気がする。

漫画を読むスピードは、読者によって大きく異なると思う。漫画読むのに慣れている人や慣れてない人、ゆっくりが好きな人や早く読むのが好きな人、様々だ。しかし、本作はみんな一緒のスピードで読んでいる気がする。とよ田先生にテンポをコントロールされ、しかしそれが全然苦ではない。読者全員が樺山くんと金剛寺さんと同じスピードで走り、しゃべり、2人と同じ輝きを感じる。この不思議な色使いの表紙も、2人が見た宝石のような世界を体験した後に戻ってくるとより一層輝いて見えるのだ。

 

 

 

 

チラシ裏のコーナー
結婚時の樺山君の角、気になって寝れない。




2 comments to “漫画感想/金剛寺さんは面倒臭い 3巻(とよ田みのる)”
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