漫画感想/東京No Vacancy 3巻(犬上すくね)





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最後の出会い、思わぬ再会

 

宿なし男の一晩の恋『東京No Vacancy』完結3巻が発売されました。第8夜から第11夜までが収録されています。登場ヒロインは、高級ホステス、スチュワーデス、同級生、そして思わぬ再会。

ホステス雪さんは彼女の内面が垣間見えてドキドキしましたね。お仕事の時と素の性格のギャップがいいですね。againで違った一面も見せてくれました。個人的にはスチュワーデスの女性とのエピソードが心にじんわりきました。自分だったらとらない行動、「難儀な人」「ほっとけない人」だと思っていた。しかしその言葉は山梨くんにではなく、自分にも当てはまっていた。別れ際の会話に繋がる読書家というポイント、beforeのエピソードでも、彼女の人となりを伺い知ることができて、うれしいですね。一期一会の少ない情報からいろいろ推理して楽しむのは、恋愛オムニバス作品の楽しみ方のひとつだと思います。

犬上すくね先生の現連載作でも好きなシリーズだったので完結は残念です。少年漫画誌の恋愛オムニバスといえば『BOYS BE…』『サラダデイズ』などありましたが、それの大人版という感じで、恋愛オムニバス好きにはたまらない作品でした。様々な魅力的なヒロインが立ち代わり入れ替わり登場しますが、完全な1話完結ではありません。before、after、againなど、ヒロインたちを広げる展開があり、作中の「偶然の出会い」というコンセプトとマッチして非常にドキドキしました。もしかしたらまた再開するのかなと思わせてくれるヒロインも居ました。しかしそううまくいかないのが大人の物語という余韻でもあり、不思議なアリアリズムを感じました。あの出会い、あのヒロイン、最終話の山梨さんではありませんが、人生節目節目に、そう懸想に耽ることこともあります。そして、また新しい出会いがあるかもしれない。大人の夢を見せてくれる、素敵な作品でした。

 

 

チラシ裏のコーナー
楽園本誌掲載分は読んでいましたが、web増刊掲載分は結構スルーしていたみたいで、単行本でまとまるとうれしい。サブエピソードみたいなのが多いのでスルーしても大丈夫ですが、あとでフォローするとうれしいんですよね。知らなかった一面を見せてくれたみたいで。 この構成狙って編集してたら楽園編集さん神だな。




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