ゲーム感想/十三機兵防衛圏(アトラス・ヴァニラウェア)





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ずっと前からヴァニラウェア作品が好きでした。初めて見たのはたしかデジタルサーカスというセガ主催の小さなゲームショウで配られたパンフレット。開発中で数枚の画面写真だけですが、それで『プリンセスクラウン』に興味を持ち、そのままずっと追いかけてきた。神谷盛治氏の独特かつ魅力的なビジュアルに導かれ、新しいわけではないが少し懐かしい仕組みをブラッシュアップさせたシステムに没頭した。毎回発売日が延期されるのすら愛おしくなるほど遊び倒した。

2013年の『ドラゴンズクラウン』から幾星霜、また新しいヴァニラウェア作品が遊べる。しかも今回はファンタジーではなく、SF。未開の新ジャンル突入に不安も伴いつつも期待は高まる一方だった。

2019年11月、満を持して発売。今度はこれ以上延期はなし。正直発売3日前まで「ほんとに発売するのだろうか」と疑心暗鬼だった記憶が懐かしい。

発売から5か月を過ぎた今、なぜこのタイミングでこのゲームのページを作ろうかと思ったかというと、やっと自分の気持ちの中でひと段落ついた、ということです。「終わっても、終わるまでも、何とも言えねぇ」という結論がやっと出たから。本作はいままでのヴァニラウェア作品以上に評価され、多くの感想記事を読んだ。物語、グラフィック、システム、戦闘、いろんな角度から皆が褒めていた。特に、ゲームに一言あるおじさんほど、褒めた。戦闘の処理落ちや、古典SFからの引用、懐古厨とも言われても笑顔で頷けるような懐かしいけど新しいものがキラキラ輝いて見えた。

改善希望点も多くある。おつかいが面倒なアドベンチャーパート、慣れるまで何が起こってるかわからない戦闘、万能すぎる郷登先輩などなど。しかしそれらすべてを差し引いてもあまりある魅力が本作にある。十三人を超える彼らたちの生きようと迸る生命力、想い人のために懸命に行動する様は見ていて眩しいほどだった。絶望的な状況だからこそ、わずかな希望に縋って生きる各々が複雑に絡み合う糸に見えた。個人の物語を進めてそこから他の物語にザッピングする手法は『街』『428』を彷彿をさせた。自分の好きなものがすべて詰まっていた。おじさんが今まで経験してきたゲームの好きな要素がこれでもかと詰め込まれていた。

これはもう降参である。白旗をあげて、認めざるを得ない。俺が好きなゲームだ、と。ゲーム好きのおじさんはみんなそう思ったはずだ。全おじさんが「これは俺のために作られたゲームだ」って思った。完全にノックアウトされてしまった。そう思うと、細かいことに言及することが急に野暮に思えてきてしまった。だからここに筆をおこう。もしこの文章を読んだ人が本作を未プレイなら、ぜひ体験してほしい。言いたいことはそれだけになってしまった。

チラシ裏のコーナー
各パートとも攻略進行度が%で示されており、物語のラストまでどれくらいかわかってしまうのが、楽しいけどもったいなくて。特に後半はどんどん進めたい気持ちと終わらせたくない気持ちを抱えて進めていました。彼らの続きを見たい気もするけど蛇足な気もする。名残惜しいけど、これ以上のラストはない。本当に良いゲームでした。

 

5/9朝:追記

 


アキバBlogさんの紹介ツイートしてもらって多くの方にこの恥ずかしいおじさんの独白を読んでもらうこととなった。あんまり多くの人に見てもらう前提で書いてなかったので恥ずかしい。まとまらないまま書き出して、まとまらないまま終わった。私の十三機兵防衛圏に対するこの気持ちはまだ現在進行形なのだ。経験した作品はできるだけこのブログに記す、というマイルールを順守するために徒然書いた手記だが、これでこの作品を知った人がいるなら本望である。

 





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