
レゼの魅力がやばい。上田麗奈のその声色・演技も相まって、極上のファムファタールになっている。デンジがレゼのこと好きになって、目を閉じるといつでも彼女の姿が浮かんでしまう(マキマさんと半分ずつだが)状態に視聴者もなってしまうし、映画が終わっても数日間それは続く。まぁこれはレゼの結末の余韻というか悲しみみたいなものなのだが、、。
序盤のマキマさんとの映画デートも、マキマさんの存在を紹介しつつ、見たとされる映画が伏線になっていたり、とレゼ編に必要な大事な描写だ。(映画については、元ネタになってるロシア映画があるとされていたり、一方タツキ先生がインタビューで違うと言っていたりと様々な解釈があるが、「デンジの心」を意識するくだりなど、この後の「恋」を演出するのに非常に重要なポイントだと思われる)
最初、レゼがカフェに向かう描写が不思議なカメラアングルが多く、これもなんかの映画のオマージュか、実写映画おしゃれ演出かと思ってたけど、2回目のそれを見て、ああそうだったんだ、ここを走るレゼを描くために一回目が必要だったんだと感動しました。
原作漫画の記憶から夜の学校プールがクライマックスだと思っていたんですが、それはラブストーリーとしてのクライマックス。レゼとの交流は意外なほどにとんとん拍子で進み、後半は超ド派手な爆発バトルに突入します。そういえばこれってチェンソーマンだったなぁ、とかタツキ先生、ほんと爆発好きだなぁとか思い出しつつ、映像美に圧倒され、チェンソーマンの世界に引き戻されます。
その映画のためのヒロインが登場し、主人公は淡くせつない恋を経験するも別れる、、、よくできたフォーマット(個人的には『劇場版 天地無用! in LOVE2』が印象深い)ではありますが、これが週刊連載漫画の一部であることにびっくりします。
それにしても、デンジの視聴者・読者の一人称感情を引き受ける力、器になる力ってすごいな。男はみなあれくらい単純でバカだし、そうありたいとすら思っている。『チェンソーマン』は主人公がデンジだから成立していると思わされるシーンが多い。

