人生に”特別なこと”がないコンプレックスを抱えた女子高教師清野。クラスの目立たない生徒寄原から告白されたことで彼の学校生活は一変する。
学校では「キヨくん」と呼ばれ、生徒と悪くない距離で先生できている。女生徒はかわいいものの、職を失うリスクと天秤にかけるとそう手を出す気にもなれない。そもそもキヨくんは、少し女性不審なところがある。学生時代の恋愛の失敗を振り切れず、その影を追ったような思考に陥っていた。この感覚、男性あるあるで、若いころの失敗、特に異性間におけるものは引きずりがちです。相手の顔を思い出せないようになっても、気まずい空気感、乾いた言葉のやり取りは脳にこびりついて特にフラッシュバックします。
主人公に女生徒と必要以上に仲良くならないように注意してくる砂掛教頭。イメージだけではなくしっかり細かい意図を踏まえて主人公に口うるさく注意してきますが、彼女もバックボーンにも注目です。彼女も主人公と同様に人に言えない秘密を生徒に握られてしまいます。タイトルの「先生、」は清野だけじゃなく、砂掛教頭にもかかっているんですね。