トップ麻雀プロリーグ、Mリーグ。選ばれしMリーガーたちの半生を追う『追憶のM: Mたちの人生を紐解く』が発売されました。近代麻雀戦術シリーズ、となっていますが、麻雀戦術本ではなく、漫画本です。
魚谷侑未、小林剛、村上淳など8名の物語を収録。麻雀というあまりメジャーではない、明るいイメージもない、稼げない職業についた理由。誰しもずっと勝ち続けてきたわけでなく、挫折と挑戦を繰り返しここのまで上り詰めてきたことが、外連味たっぷりに演出されます。内川幸太郎選手の出待ち土下座は作劇上の演出で”盛った”話なのか、ほんとの話なのか気になるところです。村上淳選手の(元)奥様、すごい悪い女みたいに描かれてるけどいいのかこれ笑。
Mリーガーはその生い立ちに注目され、熱闘Mリーグやyoutube動画などで語られていることが多いです。ファンには既出のエピソードも多いでしょうが、本人語りではなく漫画になっているのが、新鮮に感じました。おじさん忍者の藤崎智選手も愛嬌のある若者に描かれていて、なんだったら可愛いまである笑。
小林剛選手の学生時代のエピソードは、先日発売された『なぜロジカルな人はメンタルが強いのか? 現代最強雀士が教える確率思考』にもっと詳細に記されているので、こちらもおススメです。一人1話(30ページ前後)で、物足りない感も少しありますが、そういう場合は各選手の単著を読むと良いでしょう。(例えば、多井選手の『多井熱』など)皆、人間的に魅力的で、ここに至るまでも魅力的な人生を送ってきています。読みやすく興味の入口になる本書を通して、麻雀やMリーグに興味を持ってもらえると嬉しいです。