新海誠最新作『すずめの戸締まり』が11月11日(金)に公開されました。
以下、雑感。
●すずめの造形好き。始まりからずっと無鉄砲で、さすがに主人公造形すぎると思ったけど、あとでちゃんと全部回収してくれた。アレを経験してるから「いま生きてるのなんか運」という感じで最初は自分の命を軽く見ていたけど、生きたいとしっかり思えるようになってからの感じ、ラストで生きる目標を見つけたりと、ここから魅力的に生きていくんだろうなと思わせてくれる。
●すずめが靴なくして裸足血だらけで帰宅するシーン。あそこで一度身を清めてほしかったんだろうなぁ。そのために靴紛失した感じ。でも、制服に着替える時、シルエットで巫女袴みたいなのに着替えてる?と勘違いしたくらいだし、あの時点で一度リセットして再度挑む、みたいな気持ちを入れる流れに見えた。
●SFっぽいギミックは、椅子がしっかり担ってくれましたね。常世についてはいろいろ設定あったり、過去作とのリンクや考え方の変化など深堀したい。草太は祖父が登場したけど、父は登場してなかったよね。もしかして、すでにどこかの要石になってるとか、ダイジンサダイジンのどちらかとか、、、想像が膨らみます。
●芹沢、このご時世にあんなにタバコを吸いまくる人を出しておきながら、(深い設定はあるんだろうけど表面上は)【タバコは吸う男はセクシー】という意味しかなさそうで良い。また、環さんとの組み合わせは監督が好きな女性年上カップル。今回メインの組み合わせ(すずめ草太)は女性年上じゃなかったし、ここにドロドロした性癖が詰まっているような情念を感じる。
●音楽はいつもどおりRADWIMPSだけど、過去作ほど青春!疾走感!って感じは抑え目。前だったら芹沢ドライブシーンとかは、ダイジェスト止め絵で疾走感あふれるナンバーだったんだろうな。
●いままで好きに隕石落としたり雨降らせたりしてたけど、現実の災害とリンクする作品を作った時、こうなるんだなぁ、という感慨深さはあった。責任感と覚悟みたいなのが伝わった気がする。地球の平和より君を選ぶみたいな選択は安易に出せないよな。
●公開前のsnsや劇場看板での「地震警報のシーンがあります」告知。警報音あるからダメな人はご注意くださいというのは、単純に音の部分もあるし、今回取り扱うテーマそのものに対する注意も兼ねててよいアナウンスでしたね。アレを物語にすることに、まだ耐えられない人もいるのはわかるもの。
●来場者特典「新海誠本」。文字通り新海誠の薄い本。過去作では、家族回りの話など映像では収まりきらなかった設定を小説でうまく公開していたけど、今回はこちらでいろいろ言及していてよかった。小説までは濃いファンじゃないとたどり着かないと思うので、みんなが手に取る冊子で監督の言葉を広められるのはベター。『すずめの戸締まり』というタイトルつけたのはあの人なんだ、、とか小ネタ知りたい人には必須の冊子。