血を血で洗うバトルロイヤル『プロ彼女の条件 芸能人と結婚したい女たち』2巻です。7話から14話まで収録されています。男側の感情を徹底的に意識してついに彼女の座を射止めた木本美織。玲奈の嘘を証明するために、使用済みナプキンを入手する。シンデレラになるためにあらゆる手を尽くすが、その先にあるものは、、、。
1巻で有利だったキャラが、あっという間に地の底に落ちてゆくスピード感。もしかしてこの作品は、ヒロインが勝って終わるってことはないのでは?永遠に続く勝ち残り、地獄の連鎖かと思えば、次のヒロイン鈴原愛理に移ります。熱狂的なファンだった彼女は、綿密な準備からあっという間にアイドルの彼女の座を手に入れます。前半はいいんだよ前半は。怖いのはそこから雪崩れ込む後半パートです。
『ガチ恋粘着獣』は、ガチの恋愛でやばくなる女たちを描いていますが、本作ではシンデレラを目指す女たちが描かれています。3人目の鈴原愛理は、ガチ恋に近い感情ですが、ストーカー気質でヤバさはいままでの女以上です。他のファンに見せつけたい承認欲求が仇となり、過去がバレて転落します。SNS匂わせさえなければこのままゴールまで行きそうだったので、怖い。また、女たちの表情の恐ろしさ、顔芸は本作の大きな見どころですが、鈴原愛理の顔芸はさらに拍車がかかっています。調子乗ってる顔の醜さがヤバすぎるし、普通こういう顔芸は決めページで登場するものだけど、2,3ページおきに頻出するので、感情が付いていかなくて怖すぎる。
『ガチ恋粘着獣』では、狙われる男達のキャラ造形も細かく配信者側のドラマも濃厚です。しかし、本作では男側のキャラはあっさりしており、細かいところは描かれません。それは女側から性格など細かい情報は不要で、SNSフォロワー数や芸能界のポジションしか見えていないのが怖いところ。物語的には、男こそがモブというか設定、道具の域を出ていない感じが、本作の怖さをさらに際立たせています。
様々なトラブルが起こる怖い場所 bar+αとその店主栗ちゃん、プロ彼女にとり憑かれた結果事務所に居場所をなくしたアイドル平田翔。やばい女たちが暴れる度に世界観が補強されていきます。これから、さらにヤバイプロ彼女が登場するのかと思うとワクワクしてきますね。