加速する能力バトル『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~』10巻が発売されました。36話から39話まで収録。
36話。エルシーが合流して情報確認。なぜ隔離しているのか、なぜ魔科両立が使えなくなった情報を半グレに流さないのか、などレインたちが情報整理する流れであり、その実、読者に難しくなった状況を伝えるためである。
そしてフラック決断の時。この作品では様々な”セカンドライフ”が描かれているが、彼女ほど最初の人生と決別し、やり直しを選択している人物もいないだろう。ふにゃふにゃしたギャグと並列に気持ちの細やかな機微を描く本作の大きな見せ所のひとつである。
37話。変な空気のギャグと能力バトルの同居。36話の会話のひとつひとつが前フリになっていて「彼らがここに来れば戦うよ」などは非常に怖いセリフだったと思い起こされる。こんなにワクワクできて、敵方にも感情移入できるなんて、読者の感情コントロールが上手すぎる。いままでで一番次が読みたくなる1話。
38話。戦闘開始。37話でまとめた敵の情報が生きる。エルシーの「ちゃんと覚えておいてね」はレインたちだけではなく読者に情報を伝えるためだったんだな。魔法の種類の拡張や”神事”など、しっかりと練りこまれた魔法概念がバトルを盛り上げます。作画にも力がこもっているように見えますし、能力バトルとして最高潮を迎えつつあります。
39話。コゲやタケとソウタのやり取りなど、読者が半グレに思い入れしちゃうシーンが多い。半グレ視点でミッションが進んでおり、彼らのこと応援しちゃう流れが憎い。もちろんやってることはクズなんだけど、それを一瞬忘れさせるくらいの演出がある。