アニメ2期も大好評の【推しの子】最終16巻が発売されました。百五十三話から最終話までとおまけを収録。
映画編クライマックス。十五年の嘘をカミキヒカルにつきつけて復讐は完了した。
ここから直に完結に向かわず、MEMちょの年齢サバ読み発表や、百語十七話「なんにもない日、すてきな日」みたいなものを挟む構成が上手い。
「アイの♡」って書いてある歯ブラシが自宅にあるのを見せつける行為、ガチファンにとっては死にも等しいことだよな。こういう描写が変に上手くて、この上手さが本作のリアリティを支えてる。
アイドル・カリスマの証だとおもってたスター瞳だけど、”嘘つきの瞳”と言ってるのも理屈が通っていて唸ってしまった。
事件の後、黒川あかねで1話使うの、非常にエモいなぁ。恋愛対象って感じじゃなかったけど、非常に重要な人物で、主要登場人物のひとつ外側に居るけど、だからこそ役回りをいろいろと背負えることができた。そして愛が死ぬことでアイドルとして永遠になったように、アクアが死ぬことであかねの中で永遠になっちゃったように思える。一番の理解者だから、アクアがこういう行動しそうなのは予測もできていたから葬式の有馬みたいな状態にならなかったけど、静かな信望者という意味では一番アクアをアイドル視して推してたキャラかもしれない。
最終話、プロローグ的に世間の流れが描かれたけど、アクアの死がルビィーの物語として世間が処理して消化されたこと、結局アイの時と同じようなことが起こっていて、これが人の世、これが芸能界みたいな無常観に落ち着いている。神様みたいな人の世を俯瞰する存在を出していたの必要だったかな?と思うタイミングがあったんだけど、こういう流れにするためにギミックだったんだな。