漫画感想/サンキューピッチ 2巻(住吉九)





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DMMブックス

 

 

『ハイパーインフレーション』で有名な鬼才住吉九先生による野球漫画『サンキューピッチ』2巻が発売されました。第7話「ワンマンチーム」から14話「三馬・桐山スペシャル」まで収録。表紙は三馬くん。

 

 

轟大愚のキャラ、本当に好き

 

キャラ全員が本当に立っていて一コマ一コマ、セリフのひとつひとつまで油断できない。対戦相手の轟大愚もキャラ立ちがエグくて、良い悪役であり、彼の変化、成長も描かれており、ハマソウの練習相手として、最初の対戦相手として最高の相手である。轟をある程度たたせた後に出てくるキャッチャー真澄もいい味してる。モブ選手もいいセリフが多い。聖テレ選手や監督の「就職活動に使おうぜ!」「俺は転職活動に使うぞ!」大好き。

 

この作品、野球をいちから説明することに徹底しているけど、「威圧感がある投手ほどマウンドが近くに見えるって言うが、ホントに近くに見える」表現、すっごいかっこよくてわかりやすくて好き。投手の顔を大きく描けるのは、漫画的にも強い表現で、表現と説明の両面で実利がある。多分、野球って少し前の時代よりマイナーになりつつあるので、だれもがルール知ってる状態ではなくなったのだろうけど、ここまで丁寧に説明してる作品あまりみたことなかいので、意外。野球素人の監督のおかげで、説明する必要が生まれている。「打順」のセオリーとか、いままで野球漫画で説明されてるの見たことないな。

 

内容が野球を下敷きにした頭脳戦だから理解してもらうにはルール精密に知ってないと楽しめないという前提を作者も理解していて、伝える努力してるのは、『ハイパーインフレーション』の作者だなぁという感触。伝える努力を怠らない丁寧な鬼才。守備位置に着くとルール違反だけど交代になっちゃうルール、ほんとなんだそれ。ここで伊能と監督が役立つのがまたいいスパイスになってる。

圧倒的強者の投手に対して、振り逃げが多用されてるの気になる。いつでも使える裏技だから使っちゃうのもったいない気が、、、。

練習試合が秘密裏に行われて、情報を漏らさない密約が交わされてるとか、細かい設定が上手い。「9番が始まる聖テレの攻撃、、」とかもそこまでの打順調整があって成立する展開だ。

 

おもしれ~ッ! このマンガを読めてきてよかった~ッ!

三馬を完全にコントロールしてしてる広瀬&小堀コンビいいな。それを観察&解説してくれる伊能くんも助かる。全体的に、躍らせる側と踊る側がハッキリしてて読みやすいのに、常に読者の想定を超えてくるから新鮮。

三馬くんの回想シーン、小学生のしょうもない感じが痛かったけど、そのしょうもない感じがあっと言う間にいい話に接続されたのでびっくりした。こんないいエピソード作れるのに、普段変な話してるの落差がズルい。からの、広瀬が三馬の成長にもたなくて(*´Д`)ハァハァしてるの変過ぎる。そこから真澄のエピソードもすっごい良い。先に出てきてた妹の「アイス買って」の意味が変わってくる。

轟のRPG例えも非常に良い。わかりやすい説明の中に彼のキャラクターが十二分に表現されてるし、そのあとの展開含めて非常に効果的だ。結構長い一試合の描写にいろんな表現・展開がちりばめられていて、読んでて全然油断できない。「フライを撃たせるストレート」という驚愕の必殺技が公開され、一日3球⇒一人しか抑えられない、という公式が塗り替わった。それを理解しているのが本人以外の3人というのがまた今後の駆け引きを盛り上げるのだろう。

天才は努力も事情もすべてを超える⇒天才はさらに上の天才に超えられる、とか、投手の威圧感で近く見える⇒打者の威圧感も、、、みたいな自分が作ったルールをうまく使った演出・展開が多くて技術を感じます。

 

アガワ監督が女子プロレスラーにリスペクトあるの、本当にどうでもいいけど細かい描写で草。

 

 

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