【漫画感想】波よ聞いてくれ(沙村 広明)





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 波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)
  舞台は北海道サッポロ。
  主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露する。
  すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で流されてしまった。
  激高したミナレはラジオ局に突撃するも、
  ディレクターの口車に乗せられアドリブで自身の恋愛観を叫ぶハメに。
  この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、
  個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。
  まさに、波よ聞いてくれ、なのだ!

時代劇ロマン『無限の住人』を完結させた沙村先生の
次の舞台は地方ラジオ局!?
写実的な画風と軽快な会話に定評のある沙村先生の最新作が発売されました。
沙村先生はむげにんのほかにも
『幻想ギネコクラシー』『ハルシオンランチ』など
様々な作品を描かれていて、個人的にはこちらのような
コメディ短編も大好きです。
ウィットにとんだ会話や、
キャラクターやシチュエーションに縛られることのないアンマッチな内容は
他作品では味わえることのない、沙村先生独特の味わいです。
それが濃厚に味わえるのが、濃密にネタのつまった短編だと思います。
だと思っていました。
思っていたのですが、
短編でもコメディを真ん中に据えているわけでもない
本作がなぜこんなに面白いのか。
主人公のミナレは
他のキャラクターとのやりとりとも相まって、
『憎めないダメ人間』として女性主人公では
珍しいポジションを獲得しています。
様々な状況にどんどん巻き込まれていく様が
非常にコミカルで、見ていて飽きません。
こんな急展開に次ぐ急展開が
どこまで続くのか全く見当もつきません。
まれに読者を脱力まみれにする展開を選ぶ沙村先生としては、
唐突に終わるパターンも考えられますし、
息の長い作品になる可能性もあるでしょう。
これからも、ミナレの生き様に目が離せません!!





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