漫画感想/背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜 3巻(横田卓馬)





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ジャンプにて大好評連載中『背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』
の最新3巻が発売されました。

初めての大会を経て、絆を深めた二人が次にダンスを披露するのは文化祭。
偶然にも苦い思い出のある人物と再会しトラウマを乗り越えられた主人公つっちー。
そして同様の悩みを抱える亘理さん。2人はダンスの楽しさを伝えることができるのか、、、。

そして舞台は再び大会へ。本作は、とてもジャンプらしい、それでいて新しいスポーツものに仕上がっていると思います。
「まるでスポーツものみたいだ!」と冗談めかす台詞があります。言い得て妙です。
たしかに競技ダンスはスポーツであり、スポーツでないような不思議な競技です。スポーツものという漫画ジャンルが有しているメリットを最大限に表現しデメリットをうまく乗り越えるのに、競技ダンスが効果的につかわれていると感じます。球技のように点数で勝負するスポーツは分かりやすさ、表現の簡易さでとても漫画に適しています。審査員が評価する芸術点で勝負が決まるスポーツは少年漫画で取り扱うには難しいテーマです。
その芸術点の理由を絵や台詞の理屈で読者に説明せねばならないからです。
(ある意味、料理バトル漫画と同じだったりします)
本作では、ダンスの凄さを横田先生の画力で表現するという読者との真っ向勝負で挑み、それを勝ち得ていると言えましょう。
土井垣や今回登場する新キャラたちなど、「キャラが濃い人はダンスも凄い」という暗黙の了解を
読者に植え込むテクニックも巧妙に使われています。文化祭の軽音楽部や主要キャラの友人、教師など脇を固めるキャラクター造形もしっかりしておりこの作品世界を構成する大事な要素になっています。スポーツものとしても熱く楽しめますし、ラブコメ的な要素もあり、誰でも楽しめるように工夫されています。多くの人に読んでほしい一冊です。

 





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