シャーマンの血筋印伝織之助は恋愛不能男。婚約者と別れた織之助と出会い、縁を結んだ美山くくり。平凡に波風なく暮らしたかったくくりだが、織之助の一所懸命な姿に惹かれていく。
『逃げるは恥だが役に立つ』の大ヒットや昨今の世相からか、女性向け作品で恋愛にクールな男性が増えました。恋愛が趣味化し、物語上恋愛・結婚に理由が必要な場合も増えました。織之助は家を継ぐことを強く願っており、相手のことはあまり見えていませんでした。くくりは波風なく暮らしたい。動機がちぐはぐな2人ですが、少しづつ心を通わせていく流れは、初々しくていいですね。元婚約者の五十鈴や織之助の母など周りの人物も暖かく、ぎこちない2人を応援してくれます。
京都の神社文化を取り扱っていて、寺社仏閣・京都が好きだと出てくるワードを細かく調べるだけでも楽しめます。元ネタの懸想文売りや納涼床、曲水の宴知ってると楽しみどころが増えます。個人的にくくりが平安装束纏うシーンがなんか好きです。物語上の必要性薄くても、絵的に映える展開は必要ですよね。