漫画感想/迷走戦士・永田カビ(永田カビ)





【PR】本ブログはアフリエイト広告を利用しています
  

 

 

『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』で有名な永田カビ先生の新刊『迷走戦士 永田カビ』が発売されました。《webアクション》でPV数NO.1の話題作です。

さびしすぎて~風にタイトルをつけるとしたら『愛を知りたさすぎてマッチングアプリを入れましたレポ』でしょうか。友人の結婚式に感化されて、急に一人結婚式を行ったり、マッチングアプリを入れたりする永田先生。迷走していくうちに自分が求めていたものの正体や、それを得るまでのハードルなど、いろいろなことを考えていくコミックエッセイです。

永田先生ほど極端な例はなくとも、誰もが通ってきたテーマを赤裸々に描いた作品です。永田先生の卓越した表現力で、可愛く描かれています。地の文と絵の整合性が高く説明能力が抜群に高いのが魅力です。基本コミカルだからこそ、一部の表現にドキリとさせられるシビアさがあります。胸もブラジャーも整理も嫌だし、、のシーンの下着の絵がめちゃくちゃ雑なのが、永田先生の心理をストレートに表現しています。他の描写はめちゃくちゃわかりやすく秀逸に表現されてるのに、ここだけおざなりで、そんなに嫌なんだな、、みたいな衝撃がありました。パンツが相撲取りの”まわし”みたいになってる。絶対もっとうまく描けるでしょ。72P右下の告白する女学生みたいにめっちゃ可愛いのも描けるんだから。

個人的には、孫エピソードが一番刺さりました。孫って最強に可愛い存在だと思っていましたが、ペットの方がかわいい証言きくと、そんなに最強無敵でもないんだな、と。世間からの情報による思い込みって強いんですね。

コマのひとつひとつを愛でたくなるような表現から生み出される血を吐くような訴え。可愛くも怖く、怖くも可愛く、読者の心に訴えかけます。永田先生には心身ともに穏やかに過ごしてほしいと思いますが、その経過を知りたいと思ってしまう気持ちは不謹慎でしょうか。永田先生の表現にはそう思わせてしまう魅力があります。

チラシ裏のコーナー
コミックエッセイ大好きなのですが、読むとどうしても作者のことを分かった気になってしまうので、大量摂取するのはやめようと思っていました。基本姿勢として漫画描ける人の事は好きなので、そういう人が自分の事描いている本に興味がないわけないんですが、だからこそ控えよう、と。でも永田カビ先生みたいに、異常なまでに発達した表現力の人間を発見するたびに、そんな考え方はアホらしいなとも思い直すんですよね。事実の取捨、構成のうまさからこれがすべてではないにしろ、一部をさらけ出して、面白い話として表現してくれてるんだから、ありがたくそれを受取ろうと思って、いまは楽しく読むことにしています。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です