23話から33話まで収録。表紙はレジャット・ヨゼン・コレットの帝国秘密情報部トリオ。
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23話は、有名なレジャットと大臣たちの会議です。コレットがヨゼンに説明する形で金本位制の説明もあり、読者に本作を楽しむのに必要な経済知識をたたき込みます。大臣のキャラや「男の子に詳しい有識者もだ!(集めろ)」という謎の台詞もあり、本作を象徴するような1話です。そして25話からは、贋札作りが始まります。原料、透かし、印刷、古色付けとニセ札作りの工程を説明しながら、完成にだんだん近づいていきます。この過程はプロジェクトものみたいで、みんなが同じ目標に向かって熱く進む面白さがあります。やってることは贋金作りですが。
そもそも、贋札が身体から涌いてくるという設定なのに、それを原料にしてニセ札をいちから作り出すというアイデアが狂気じみています。1巻読んだ後、4巻では原料以外は自力で偽札作りしてるなんて読者は誰も想像できません。そして、ラストは復活のグレシャムと、レジェットとルークの頭脳戦が繰り広げられます。レジェットとルークの頭脳戦は、読者の斜め上を行き、だれも思いつかない展開とどんでん返しの連続です。本作の魅力が十分につまった1冊です。
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