『チェンソーマン』19巻が発売されました。165話「いつもの風景」から175話「両の手」まで収録。
167話は少年漫画的に非常に大事なエピソードです。家を燃やされ家族を失い、めちゃくちゃな状態にあるデンジ、それでも、性が頭から離れない。そしてひょんなことから、キス手コキ状態で射精してしまう。これは令和のラッキースケベなのか!?いや他の作品ではありえないチャンソーマンだからこそ起こりえる奇跡だ。
そしてなんだかんだで予定の寿司屋へ。いつもならこんな高級なもの食っていいのか!?とおおはしゃぎするデンジだが、衝撃にキス手コキの後でそういう状態じゃない。ここで寿司の食い方(順番)をデンジが教育されるのは、デンジはいままで回転寿司を喰う機会なんぞなかったという話で、大きな意味を持つエピソードなんだけど、直前の事件と、ここからおこることのインパクトがすごすぎて、きれいにカムフラージュされている。
寿司屋から始まるバトルシーン。残虐なのにコミカルでシリアスに笑えるようにしてるのが憎い。
チェンソーマンの攻撃をジャンプして「避けた!」と叫んでるキャラの首が飛んでたり、「みんな、俺の後ろに(隠れろ!)」というキャラの腕と首が飛んで、全然守れてないのは、笑うところでいいんだよね?
そして、耳の悪魔が食べられ、”耳”の概念がなくなることで、チェンソーマンの驚くべき能力が語られる。あらゆる生物の耳が消失したが、聴覚は消えず、耳かきも消えない。そしてチェンソーマンが耳の悪魔を吐き出したら、耳が復活した。そして政府と友好関係にある”老いの悪魔”は条件次第では自らチェンソーマンに食べられて消失しても良いと言い出す。そんな間にも口が消え、様々な概念が消えかけていく、、、、。
目を惹く展開がテンポよく続き、デンジの体験的にも、物語の設定開示的にも、重要なエピソードの連続で目が離せない重要な一冊です。