テレビなどで話題沸騰になった『昭和天皇物語』、待望の2巻です。
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本作の良さ1、人々の思いがとても大事に描かれている永福一成先生の脚本。昭和天皇裕仁の周りには多くの人々がいます。学者は自分が信じる学問のすべてを教え込もうとし、お側役は何よりも尊い愛情をもって育んだ。自ら思う処の天皇を全うするもの、長州のメンツを大事にするもの、成婚を政治の道具にさせまいとするもの。様々な思惑が交差する中でも、迪宮少年は学び感じ成長していきます。様々な人物の思いが、人を、物語を形作っているのがわかり、とても濃厚な読書体験につながります。
良さ2、能條純一先生の表現力。一見すれば”シリアスな笑い”の顔芸と取られがちですが、一人一人の顔の作りや表情の違い、実写とディフォルメの良いところを併せ持ったあの顔がとても魅力的です。前述したように大事に描かれた各人物の思いと合わせて、生き生きと表現される人々。一つの時代のうねりを表すように、人々はユーモラスな顔を見せてくれます。
脚本も作画も練りに練られ気合の入った1冊。青春期を終えた迪宮少年にはこれからどんな運命を待ち受けているのか。3巻が待ち遠しくなります。