漫画感想/週刊少年ハチ 1・2巻(増田英二)





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漫画家を目指す少年たちの熱い青春ストーリー『週刊少年ハチ』1巻、2巻が同時発売されました。

さくらDISCORD』『実は私は』青春作品に定評のある増田先生の新作は、漫画家漫画!?主人公八坂八起は、”主人公”にあこがれる凡人。漫画家になるという夢を背負い「鬼ケ浜まんが学園」へ入学する。そこで出会う仲間やライバルたち。これは挫折と奮起の物語である。

 

1巻あとがきで増田先生がおしゃっているとおり漫画家漫画というよりは成長物語です。増田先生の得意とする青春群像劇のエッセンスがふんだんにちりばめられており、ファンにはたまらない展開の連続です。主人公は成長途中ですが、実力としては底辺。挫折挫折挫折の繰り返しです。実力の差を認識するのも、才能の有無を知ることも、努力が報われなかったことを思い出すことも。増田先生の描くゆがんだ表情、絶望した表情が最高にマッチしていて、キャラクターたちが生き生きとして描かれています。ハイテンションな物語にはハイカロリーな絵柄がよく合います。

『実は私は』で見せたキレッキレのギャグも健在です。ギャグが目立つのは2巻11話「ドンマイ!」。グループでリレー漫画を描くことになった八起たち。個性的な面々が勝手気ままに描くことで、ひどいリレー漫画になります。猪原さんのキャラがうまくほかをひっぱっていて流れを作っています。ボケとツッコミのテンポがよく、すべるように読めます。オチのあの構図は何回見ても笑えます。ズルい。

ヒロイン枠としてはもう一人のグループ女子、半田さんも忘れてはなりません。2巻ラストの乙女顔はもうすでに読者の大半の心を掴んでしまっているでしょう。八起の前向きな気持ちが、一度挫折した彼女の心に響くシーンは、彼女の美化ではなく、本当にそう見えた光景だと思います。ミャーコや猪原さんがまだ本気出してない今、ヒロイン争奪戦を一歩リードしましたね。先行逃げ切りのかませヒロインじゃないと信じています!

圧倒的な熱量をもって描かれる青春成長物語。これからが楽しみな作品です。

 

チラシ裏のコーナー
1巻2巻同時発売の初日からkindle1巻無料とかかなり攻めてるプロモーションしかけてきましたね。たしかに導入だけだと弱いので無料でもいいから続けて読んでほしい作品ではあるけど。1話のノリは、増田先生の作品読んでれば受け入れられるけど、駄目な人も多いと思う。




One comment to “漫画感想/週刊少年ハチ 1・2巻(増田英二)”
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