漫画感想/金剛寺さんは面倒臭い 2巻(とよ田みのる)





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“本編と大きく関わりのない物語”が

2人の物語に収束する気持ち良さ

 

新しいラブコメの扉を開き続ける『金剛寺さんは面倒臭い』2巻が発売されました。2巻には第6話「極楽奈落」から第10話「アトランティス帝国」までが収録されています。表紙の金剛寺さんの表情については説明不要で可愛い。

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連載開始時からラブコメ好き・漫画好きに話題騒然の『金剛寺さん』。いままでにないハイテンションでテンポのよい表現で描かれるラブコメ。主人公樺山くんと正論ヒロイン金剛寺さん、そしてナレーション。メイン展開とは別に、しかし同時に進行する“本編と大きく関わりのない物語”や鬼言語など、気になるギミックがところどころにちりばめられています。それらはすべてラブコメのため、2人のためのものなのです。様々なキャラや表現が2人の物語に収束していく流れがとても美しく思えます。

かと言って2人に注目するだけでは、本作の魅力をすべて味わえません。地獄と繋がった白と黒が同居する世界や、家族、クラスメイトたちキャラクター。コマのひとつ、吹き出しのひとつにまで読む人の心を躍らせる表現が詰まっています。とても情報量が多く、金剛寺さんの正論のごとく油断できない展開が続きます。しかし読みにくいわけではなく、むしろ普段漫画を読まない人に勧めたい読みやすさに仕上がっています。とよ田先生どんな魔法使ってるんだ。

個人的ベストエピソードは第9話「○○にはそれだけの力がある」。自らの変調を感じた金剛寺さんが“心の保管庫”について樺山くんに打ち明ける話です。金剛寺さんというヒロインの魅力、2人の関係性の進展、2人の言動と他キャラクターのシンクロ、見開きを使った盛り上げ、など本作の魅力が凝縮された最高のエピソードです。

 

 

チラシ裏のコーナー
金剛寺さん読んでから文章書くと、彼女の論調に引っ張られる文章になる。ハイテンションで自ら「AいやBいやC」みたいな理論作って勝手に否定して、、みたいな。もしかして自分も、この作品の世界に取り込まれてしまっているのかもしれない。




2 comments to “漫画感想/金剛寺さんは面倒臭い 2巻(とよ田みのる)”
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