映画感想/空の青さを知る人よ(超平和バスターズ)

10月11日公開の『空の青さを知る人よ』を見てきました。運の悪いことに公開初週に日本全体が台風直撃した本作。自分も初日見に行く予定でしたが断念、そのまま見に行けず2週間経ってしまいました。同じような人が多いのか、Twitterで感想検索しても思ったより数が少ない。来場者プレゼントのクリアファイルがまだあったの驚きました。超平和バスターズの3ヒロイン揃い踏みで最高に可愛いんですが。

個人的は大ヒットでした。映画館で見れてよかった。ほんとに多くの人に見てほしい。特に30代の男性には秩父の聖母 相生あかねの存在を広く知らしめたい。そのためえらく主観に偏ったレビューをお届けします。ネタバレできるだけ抑えてありますが、一部わかってしまう表現あります。あなたの”初めての体験”は何より尊い。掛け値なしに素晴らしい作品です。できれば映画館でご鑑賞のあとに、以下の駄文にお進みください。

 

 

 

 

 

 

めちゃくちゃ愛にあふれた作品。作中の人物がみんないい人ばかりで、悪役がほぼいないのでそういうのがダメな人にも薦めやすいです。彼氏が欲しいと相生あおいにかまってくる大滝さんも「友人の彼氏は盗らない」と言ってたり、相生あかねに片思いしている幼馴染のみちんこもまずあかねの気持ちを第一に考えていたり、嫌な奴が皆無。田舎の閉塞感みたいなものは序盤で語られるものの、それより大きな流れがあるからあまり気になりません。みんな誰かを思っていて愛にあふれている中で、一番愛が深いのがあか姉こと、相生あかね。この作品の中心にいる人物にして最強の女じゃないでしょうか。本作は約2時間の相生あかね紹介映像だと思っています。あかねを紹介するのにあおい視点が一番良いので、あおい視点なのであって。

相生あかね、あおい姉妹がほんと魅力的なのは、キャラデザ田中将賀さんの視覚的魅力と、俳優陣の演技の魅力。俳優さんの演技がこんなにナチュラルに合うとは思いませんでした。デザインとしてはアニメアニメしているキャラなので、アニメ声優の方が合うように思えていましたが、若山詩音さんと吉岡理穂さんの声を聴いてみると他の人はあり得ないと思えてきます。特に吉岡理穂さん、声質は早見沙織さんに近いのですが、もう少し生っぽい演技で、この声があかねを形作っていると言っても過言ではありません。キャスティングどうやって決めたのか、監督のインタビュー読みたいですね、探します。

個人的に、あか姉の存在がどストライクにぶっ刺さっています。18歳で両親を亡くし幼い妹を育ててる。それは決して簡単な道ではなかったでしょうし、諦めたものも大きかった。おそらくそれまではしてこなかった料理や裁縫、田舎特有のご近所づきあいなど、周りの助けもありながら一人でこなしてきた。辛い素振りは周りに見せず、妹から気遣われても軽くあしらう。聖女かな?後半ピンチに陥るはずの場面でも平然としており、ド天然なのか大人の落ち着きなのか、とにかく強い。弱いところを見せるのは一場面程度で、それも演出上ぼかしてあり、視聴者側にわかりやすく弱さを見せるようなことはないんです。岡田麿里は新たな宗教のために聖母を生み出したのかもしれない。

全体的にアニメ的誇張表現を抑えており、ターゲットが比較的上の世代、30代なんだなと感じさせました。アニメ映像なのにあんまりアニメっぽくない。先ほど述べた相生あかねの恐ろしいまで愛、強さも非常に繊細で、もっと過剰にいわゆるメンへラぽくアニメ的な表現もできたところを、していません。絵としてもアニメなら、あのスカートの長さならパンチラしてもおかしくないし、雨に濡れるシーンで下着が透けてもおかしくありませんが、そういうのは全くなし。そういや姉キャラは巨乳が定番なのですが、そういうのに言及することもないですね。エッチな会話を混ぜることもできたでしょうに、あかねと慎之介が再開して初めて二人きりになる会話もアニメというより実写ドラマ的な色っぽさにとどめてあります。あえて言えばあおいが大滝につけたあだ名くらいでしょうか、アニメっぽい下ネタというか。アニメ声優ではなく俳優さんをキャスティングした意図もそれに尽きるのかなと思いました。あかね役の吉岡理穂さんを声優の早見沙織さんだと思ったというのはツイッターにも多く書かれていましたが、それではなぜ早見沙織さんではなく吉岡理穂さんにしたのかということです。アニメ的な表現なら早見さんの方が”巧く”できたと思いますが、吉岡さんの優しくも少し抑えめでアニメの絵の強さには物足りなさを感じるくらいの表現がちょうどよいのではないかという気がします。また、前2作は実写化されていますし、本作も実写ドラマ化が視野に入っているのかもしれません。

 

 

 

雑感チラシ裏

●つぐが有能子供としてギミック過ぎないのが良かった。今からすれば『天気の子』の凪くんはちょっと有能すぎるように感じる。もちろん、これも”アニメっぽすぎない”ためのバランスだと思う。

●18歳⇒31歳の13年間って相当に重い。特に田舎の人間の20代って都会のそれより重い。もっとマイルドな設定にもできたと思うんだけどやっぱり、30代にしたかったんだろうか。アニメ的記号だと29歳ってまだ”若いお姉さん”だけど30超えると大台に乗った感がある。EVAはミサトさんが29歳で、リツコさんが30だっけ。⇒追記:《インタビュー》みつけました。

 

●慎之介があんなに老けてしょぼくれたおっさんになってしまったの、やはり都会に出てやさぐれてるからなのだろうか。18歳のしんのを見てるとあれが慎之介みたいになってしまうのって相当な挫折があったんだろうなって思われる。その時となりにあかねが居たらそうなってなかったかも知れないとか、あかねも一緒に辛くなったり、別れていたかもなんてIFを考えてしまうと二重に辛くなってしまう。

●あかねが泣いてるところも、顔を(絵として)見せてもらえなかったので、あか姉神格化がすごい。そこは想像してください、なんだけどラストのピンチ時も平然としてたし、人間離れした強さを感じる。EDカットの泣いて喜んでいるあか姉には驚かされたし、もっとそういうところ見たかった。

●EDカットは蛇足という意見もちらほら見かけたけど個人的には好き。むしろなかったらモヤモヤして死んでるまである。アニメ映像としてはライブとかパーティーとかあるべきなんだろうけど、本筋には必要ないんだよな。見てる途中で「あっ、これ多分ライブシーンないな?」って思ったから、その通りでシックリ来た。もし尺があと20分あったらライブシーンと数年後、、があったんだろうけど、これはこの形でいい。泣いて、ないし!好き。

●あえて言うなら実写化の障壁になりそうなのが、相生姉妹の眉毛。これだけはキャラデザ上譲れなかったんだろうか。でもすげぇ可愛いんだよな眉毛。姉妹の意志の強さが眉毛に出てる。13歳年の離れた姉妹ならもしかして血のつながってない、、、という可能性もあるんだけど、眉毛のおかげでそれはないなって、余計なこと考えなくて良い。

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