漫画感想／ど根性ガエルの娘 3巻（大月悠祐子）

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ド根性カエルの作者吉沢やすみ先生の娘、大月悠祐子が描く衝撃の事実。

ネットで話題沸騰！『ど根性ガエルの娘』の３巻が発売されました。

ネット騒然の１５話ですが、単行本で再読すると初めて読んだあの時の衝撃がよみがえるようでした。この漫画の構造を浮き彫りにするかのような、事実をドンと目の前に並べられたような感じがしました。背筋がぞわぞわする感じとでもいうのでしょうか。小学生時代から現在まで、大月悠祐子と家族の過去が描かれますが、時系列がバラバラで、問題のあるエピソードと幸せだったようなエピソードが順繰りに並べられています。読んでいればゆくゆくはその順番の意味に、大月悠祐子が描きたいことの意味に気づかされるのですが、読んでいる途中ではただただ気持ちが落ち着かない、次のページで何が起こるかわからない、不安と戦いながら乾いた指でページをめくる自分に気づかされます。すごいものを見ている自分を客観的にのぞいているような、作中のメタ構造も相まって、自分と作品の距離感がわからなっていきます。自分と作品の境界線が解けてなくなっていくような感触の中で、３巻を読み終えました。

この話はどこに着地するのか。大月悠祐子が描きたいものはなんなのか。この作品は、ヤングアニマルDensiでまだ続いています。私は最後まで読みたい、大月悠祐子に最後まで描いてほしいと思わせる、魂の一冊です。