漫画感想/無敵の人3巻(きづきあきら・サトウナンキ)





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きづき+サトウコンビが現代の闇を描く『無敵の人』最終3巻が発売されました。

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AIシューニャの治安維持活動に手を貸し”無敵の人”を処分する高瀬いのり。しかしシューニャの判断に疑問を持ち苦悩する。シューニャの支配から解放されるか、従い続けるか。最後の判断は自らの手に委ねられた。

13話後半。いのりが心情を吐露します。「普通」になりたかった。そんな些細な希望すら叶えられなかった。逃げ場のない状況に陥り、自ら決める覚悟もない。「あの日 一度私は死にました」と告げる彼女、死んだ彼女には生きる指針が必要だった。それは本当に「無敵の人」なのか。たくさんの「ごめんなさい」を抱えて最後の指令を遂行するいのり。この「無敵の人」が織りなす、地獄の連鎖から逃れることができるのか。

非常に後味の悪い、しかししっくりくる結末でした。もともと安易なハッピーエンドになるとは思っていなかったので、一応受け身が取れた感じです。希望より不安が先行する世の中、社会が生んでしまう回避しにくい問題、AI、現在の日本に住む人間が感じている様々な不安を表現した作品でした。願わくばこの惨状を回避できますように。

 





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