2019年11月3日横浜みなとみらいで行われた公演『さよならたりないふたり』です。今まで40分程度のネタ作りをしてから即興漫才を繰り返してきたふたり。才能があるふたりだからこそできる企画でした。しかし今回は9カ月ぶりに会うふたりが1時間のネタ作りを経て即興漫才に取り掛かります。公演前のトイレでもすれ違わないように配慮されるふたりが、いざ出会った時、どんな漫才が生まれるのか。
雰囲気たっぷりの気合いの入ったPVですでに笑ってしまいます。ステージ上でも幕で半分に分断されています。打ち合わせ開始から「もう、漫才が始まっちゃってるわ」と悪ふざけする若林。「そんなのつまんないじゃない」の目は、完全に若林クレイジー正恭です。彼の”愉快犯”っぷりが山里を追い詰めます。
中途半端に打ち合わせしてネタを決めていないため、会話に忠実な漫才で、個人的にはこのパターンが好きです。時間に余裕があるため、展開の盛り上がりや流れを計算しつつ進行している様子が味わえます。とにかく漫才中無邪気に(見方によっては邪悪に)笑う若林と、戸惑いながらもついていく山里が最高です。ふたりが楽しそうに漫才する姿、ファンが見たかったのはこれなんだろうな。この時系列で「見えてきたんだよ、嫁が!!」というシャウトを楽しめるのはオードリーのオールナイトニッポンリスナーの特権です。
現在『さよならたりないふたり』を視聴するには、映像配信サイト▶「Hulu」に登録する必要があります。(DVD・Blu-rayは未発売)。Hulu完全版では前後のドキュメンタリーの雰囲気も味わえますし、TV版との編集の違いも楽しめます。カットされたところを改めて噛み締めるのも面白いです。
今が旬のふたり、いまよりたりなかった過去を是非味わってください。