佐藤秀峰氏が漫画家としてデビューし成功し、出版社との関係に苦悩し、マンガonウェブを立ち上げるまでが文章で記されています。最初に自己紹介漫画があり、これが分かりやすく氏の歩んできた道の大変さを物語っています。漫画内でなんともいえない表情を繰り返す氏の無念、怒りは推して知るべしといったところです。
そしてその後、文章で具体的な数字を出して説明しています。実際の経験からくる数字に説得力を感じます。特に佐藤氏が描く世界は綿密な取材が必要で、それにかかる費用や時間は相当のものなのだろうなと思いました。
感情と現実の数字の両面から、佐藤氏の漫画人生を疑似経験するような非常に重い一冊です。本作をもとにフィクション化したような作品『Stand by me 描クえもん』と合わせて、漫画好きなら是非体験してみてください。