漫画感想/サターンリターン 1巻(鳥飼茜)

 

鬼才が描く喪失の物語「サターンリターン」1巻です。

鳥飼茜先生はもとからきわどいテーマで作品を生み出してきましたが、今回はさらに踏み込んできました。失い続ける女加治と新人編集小出がアオイの死の謎を追う物語。現実と地続きなようでそれでいて文学的な香りのする作品です。

いままでにも増して、人の顔を描く表現力に注力している気がします。ポイントポイントで表情の説得力で魅せるページがあり、いい意味で気味が悪い印象を残します。“「生きたいよ」って助けを求められた途端に手を放してしまった。”のシーン、小出がゾクっとする前に、こちらがゾクっと背筋が凍る思いにさせられていました。この時の加治の表情、ほんと目に残るし、夢に出る。

まだ物語の序章にすぎなくて、これから真の喪失があるかもしれない。それでも僕たちは失い続けなければいけない。それがサターンリターン1巻を読んだ者の義務のように感じられました。

 

 

 

 

 

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