横田卓馬が描く青春群像劇『シューダン!』最終4巻が発売されました。4巻には24話「青い春、偲ぶ秋」から最終話「蹴球男女」、2012年に集中連載された『こがねいろ』の1~3話が収録されています。
時は流れて創始たちは高校2年生の秋を迎えます。3年生も引退し、創始はサッカー部キャプテンとして早朝から夜遅くまで部活で忙しい日々を送っています。
マネージャーとラブコメっぽいやり取りもあります。かつて一緒にサッカーやっていた面々は、違う学校に行ったり、違う部活に入ったりと散り散りに。リアルですけどちょっと悲しいですね。
全4巻、分量としては3巻半ながら、小学生~中学生~高校生とサッカーを通した青春を描いた本作。少年サッカーチームに新しい風が吹き、変わっていく描写に心を震わされました。サッカーが題材になっていますが、少年誌スポーツ漫画的ではありません。スポ根や友情努力勝利がテーマではなく、サッカーはあくまでみんなが集まる理由であり、一番大事なのは人です。エンジョイ勢が本気になり、全員で本気に取り組み、それでも別れ、楽しかったことを思い出してまた集う。この流れが最高に美しくて単行本を何度を読み返しました。この最高の流れがたった3巻半で描かれているのが、また最高で。いろいろなエピソードがあり、他のキャラをもっと掘り下げて10巻くらいであったとしたら、ここまで感動しなかったかもしれません。寄り道エピソードはなく、コンパクトに大切な話を描き切った横田先生の構成力には驚かされます。(すじピンの時も似たようなこと書いててすいません。)
「シューダン!」は最高のフィナーレを迎え、集中連載「こがねいろ」に移ります。高校時代の巨勢コーチが登場します。シューダンで、すじピンキャラの弟が登場したこともあり、横田作品の世界は繋がっているんだなと感じさせてくれます。スターシステムではないですが、いつか様々なキャラが登場する4コマ?みたいなのおふざけでもいいので読んでみたいですね。
最終話に通話してる2人。その前は、LINE交換してなかったと言ってたけどあの集まりの時に交換したんだろうな。
すじピン、シューダンではLINEの描写がキャラクターの個性を表すのにとても効果的に使われていて、横田先生こういうのうまいなと思ってました。「こがねいろ」ではガラケーキャリアメールでも同様に扱われていて、6年前の作品でも変わってないなー。LINEよりは表現の幅少ないですが、キャラクターによって、どんな文章打つのか、改行するかしないか、絵文字どんなの使うかなど、個性が出るところは多いですよね。キャラの詰め方がえげつないほどしっかりしてる。