漫画感想/娘の友達 4巻(萩原あさ美)





海の底で酸素を求めてあえぐ深海魚

彼が見つけた光は果たして希望か、、、

 

話題の作品『娘の友達』4巻が発売されました。第27話「変と普通」から第35話「嗅がれた男」まで収録されています。表紙は猫と戯れる古都。微笑む美少女と猫、とても可愛らしいはずなのに、なぜこんなに胸が騒めくのだろう。

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父親、娘、部下。そこに娘の友達。ここでならまだ誤魔化すことができたはず。しかし彼女は真っ直ぐ見据えて言った「そうだよ」と。綺麗な月の下に、すべてが終わり、無力感のみが父親を包み込んだ。一度ほつれた糸は元に戻らず、家庭も仕事もうまくいかない。祖父祖母の訪れをきっかけに、娘は家を出た。

31話、家出した娘を探して渋谷を彷徨う父親。似た風貌の娘に声をかけ、漫画喫茶に侵入し警察を呼ばれ朝まで取り調べを受ける。気づけば仕事をすっぽかしていた。ここの無力感、みじめ感は、本当に息が止まるかと思いました。そのままに32話、「深海で酸素を探してあえぐ魚のような感覚」というダイレクトな表現。絵も文字も、情報量の多くはないですが読者にピンポイントに与える印象はとても研ぎ澄まされていて、ひやりとします。

晃介の父や、古都の父親も登場します。彼らに悪気はないのかもしれませんが、それも含めてただただ辛い。

深海であえぐ魚がたどり着いたもの。相手も自分を求めていて、決して不純ではない、と思っている。何か大事なものを互いに確認するかのような行為。頭を撫で、手の匂いを嗅ぐ。それだけでとても気持ちが安らかになる。ただ気づかれてはいけない人に気付かれていることだけが不穏。

一難去ってまた一難とはよくぞ言ったもので、常に心に負担を強いられる4巻です。集合、祖母の叱責、家出、娘を追い駆けて仕事のミス、と流れるように堕ちていきます。海の底での再会だけが心の救いですが、もうそれすら怖い。まだ気づけぬ不安要素を抱えて5巻に続きます。

 

 

 

 





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