漫画感想/僕の心のヤバイやつ 5巻(桜井のりお)





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更新日のTwitterを一番ざわつかせる漫画『僕の心のヤバイやつ』5巻が発売されました。Karte.58「僕は頼りたい」からKarte.71「僕は山田と」までに加えおまけ「ジャージの行方」、骨折騒動からバレンタインチョコ作りあたりまでのエピソードが収録されています。表紙のカット、ピントの合わせ方が好き過ぎる。

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市川と山田、2人を中心に回っていく物語ですが、クラスメイトたちの空気感が中学生まんまで好き。男子はすけべでバカで、女子はくだらないこと話してるけど、人間関係には敏感で。中学時代はこんなだったなぁと思い出します。山田の気持ちは、ばやしこ(小林)以外の女子にはほとんどバレています。わかってて何も言わず手伝ってくれる女子たち。山田は周りに愛されてるなぁと実感します。市川も、家族や友人たちに恵まれていて、客観的に見れば世界はこんなにも優しいのが分かります。しかし少年少女たちは、相手の気持ちを考えて、相手の一挙手一投足に反応して、不安になります。優しいからこそ、些細なすれ違いが事件になる。これぞ青春だなぁ、と繰り返して読んでしまいます。

ラブコメ的には、Karte.62からの王道展開に注目してしまいます。ひょんなことから女の子の家にお邪魔する話です。少年誌ラブコメで幾度となく見てきたこの展開ですが、丁寧に丁寧に2人の気持ちを綴ってきた本作では重みが違います。山田の問いかけに市川が正直に答えるシーンは、これまでの積み重ねが材料になり、読者はハッキリした解像度で見えます。また、家での山田とお母さんのやり取りが可愛くて、微笑ましいのですが、その裏で心臓止まりそうな心境の市川が居るのも含めて笑ってしまいます。ここの様々なところがまた後で伏線として使われるのも秀逸です。情報の出し方でエピソードが連なっていて、無駄なエピソードがないのが素晴らしい。幕間エピソードは、のりお先生のTwitterアカウントで発表されているので、それはそれでめちゃくちゃエモいので、おススメです。

いままで市川がもう一人の自分と会話し、自分の気持ちを整理する話が、ポイントポイントでありました。今回はその相手が姉になりました。姉と会話しているうちに、自分の頭の中が整理され、正直な気持ちを吐露します。この話が単行本ラストに来るのは、のりお先生の計算どおりでしょうか。読者も、市川とお姉と一緒にソファでじたばたするハメになります。





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