値段に目をつぶれば、シリーズの歴史が多角的にまとめられた良本
各シリーズの企画意図や、キャラクター、バルキリー一覧図など、マクロス初心者には非常に見やすい構成になっています。流石のテレビマガジン編集。初期案からどういう変遷をたどって企画が固まっていったかというのは非常に興味深いところ。各作品における歌、アイドル、三角関係、バルキリーがどういう意図で決定されていたか多角的な視点で記されています。大きいサイズ&フルカラーを生かして、企画書や絵コンテが惜しげもなく披露されているのもgood。手書き企画書の細かい文字までしっかり読める。情報はうまくまとめられており、マクロスFやΔから入ったファンには便利な1冊でしょう。一方、古くからマクロスと共に歩んできたファンには、既出の情報が多く、フルカラーで大きいサイズとはいえ約100Pで3000円という値段に釣り合う内容ではないかも。
コアファンが注目すべきは河森監督と板野一郎インタビューでしょうか。マクロスシリーズとは切っても切り離せないお二人のインタビューは必見です。新しくCGのできるスタッフを探している際、新人がとりあえず話を聞きに行ったら、コンテ渡されて「さぁ、やろう!」って断れなかった話、昔の業界っぽくていい笑。板野さんはスタッフ育成についてすごく深く考えてるんだと思うと、他でもよく見る破天荒なエピソードも優しく感じます。ガンダムやヤマトなど長く続く人気シリーズはありますが、同じ監督が作り続けているケースは少ないので、稀有なシリーズとしてこれからもマクロスには続いてほしいです。
チラシ裏のコーナー
マクロスシリーズはFとΔしかちゃんと見たことない初心者なので、自分にはよい本でした。学校で使う歴史の資料集みたいな感じ。これが1300円くらいだったらめちゃくちゃ良本だと思うんですが流石に価格。