漫画感想/らーめん再遊記 7巻(久部緑郎・河合単・石神秀幸)





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言わずと知れたラーメンハゲ芹沢達也が活躍するラーメン漫画『らーめん再遊記』7巻です。第54杯から第62杯まで収録。表紙は端麗醤油系のラーメン。

 

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塩匠堂編完結。芹沢が変に褒めたり冷静真顔を見せたりと、極端な感情を見せる。ビジネスのためとはいえTVの演出に協力したり少し彼らしくない行動も見える。収録帰り際に永友さんの事を語る表情を魅せない表現は非常に巧い。永友との思い出、彼が偉大なる先輩であり、彼にかけられて嬉しかった一言を振り返り酒を煽る芹沢で締め。誰も逃げられぬ老いを、これからの自分自身と重ねて思うところもあるのだろう。ハッピーエンドとは言えない、何とも言えない読後感のエピソードになった。

ジェントルで謙虚だった編集長がゲスい下ネタを繰り出してくるなど、心身の衰えで理性の抑えが聞かなくなる高齢者の実例が出てくるのはキッツい。中年から高齢者にかけて起こり得るクライシスを全部やる気か。未知への感動と既知への安堵で芹沢のチェーン店好きが回収されたり、細かい伏線回収に余念がない。情報量が多いわけではないけど、綿密に意図が張られているので、読んでいて心地いい。

若き米倉に過去の自分を重ね、先をいく先輩の永友に自分もこの道を行くことになるのか想いを馳せる。世代ごとの悩みがあり、山の中腹に至るものは上も下も見え苦悩する。

主体的に問題解決に臨むわけではないが存在感を示す芹沢。この話では、ラーメン屋に失敗した過去を持つ飲食コンサル小宮山とグルタくんが主人公になりそうですが、いつも裏から覗いていて助け舟を出したり、矢面に立つこともある。老いたとはいえ、寿司40カン平らげる胆力をもち精力的に活動する芹沢。中年クライシスを超えてまだまだ活躍する彼から、目を離せません。

 





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