4/8(日)プラザカプコン入間店で開催された 第二回TOPANGAチャリティーカップ は
間違いなく大成功でありました。
現在格闘ゲームは単なる娯楽の域を出て、スポーツに、興業に成ろうとしています。
そこで、この大会の成功から得られるものを考えていけたら、と思い
当大会や格ゲーを取り巻く状況に関して文章にしてみました。
1、初心者大歓迎というスタンス
当大会は、チャリティーカップということで
ガチ的な大会ではなく「初心者大歓迎」という珍しい体裁で開催されました。
それは、格ゲーやっていながらも普段大会に出るところまでいかないプレイヤーの参加を促し
これからの格ゲー界のすそ野を広げる役割を果たしました。
これは今まで開催されてきた大きな大会ではなかなか難しいことでした。
今まで格ゲーの大会は「ガチ」であることが暗黙の了解でありました。
ゲームの腕を競って楽しむ、という気持ちで参加できるものは少なく
人前に出ても恥ずかしくない程度の実力があるプレイヤーの真剣勝負の場でした。
(初級者中級者大会と銘打ってあるものは別)
大きくなればなるほどレベルも上がり、初心者、中級者は参加しにくくなります。
そんな中これだけの規模の大会でその枠を払いました。
初心者のチームは確かに一回戦で負けました。
しかし出場者には
「それでも、負けても格ゲーは、大会は楽しいんだ」ということを十分に示せたのではないでしょうか。
またTOPANGAや顔TVやその他動画配信によって育ってきた土壌 や
今までは交わることが少なかった「実況勢」との邂逅も
形は若干違えども同じゲームを楽しむプレイヤーとしての交流ができ、素晴らしかったと思います。
実況動画を作成してupしてくれているプレイヤーは
せんとす氏など一部のプレイヤーを除いてはいわいる中級者の範囲ではありますが、
そういった方々がこういったオフライン大会の場に出ることは少ないと思います。
いままで大会のメイン参加者だったガチ勢以外に
初心者勢、実況勢などの参加を掘り起こし、
「ガチ勢じゃなくても参加していいんだ」と思わせてくれた、
これは、今後のプレイヤー人口増加に大きく寄与するのではないかと思います。
2、ガチ大会と見応えのクオリティ
上記のような交流大会である側面で大成功しながらも
両立しにくいガチ大会であるという側面でも大成功でした。
本来初心者が混ざれば混ざるほど、大会のレベルの質は下がります。
しかし、結果的に公式大会や闘劇に引けを取らないレベルの大会になりました。
この文章を書くにあたって何度も動画を見返し、
さらにお勧めの試合動画を掲載するため選ぼうとしましたが
どうしても選びきれませんでした。
全試合ベストバウトでした。
後半の試合はとくに逆転に次ぐ逆転が多く
5タテのような一方的な試合はありませんでした。
台本があるんではないかと邪推するくらいドラマティックな展開ばかりでした。
これは、動画勢にとって、観客にとって本当に幸福なことです。
さまざまな格ゲーの大会で、
ここまで魅せてくれる展開が続くというのは奇跡なのです。
とあるプレイヤーの実力が突出していたり、
とある行動が異常に強く寒かったりして盛り上がらない大会を
幾度となく見たことがあります。
TOPANGAの呼びかけに多くのプレイヤーが応える形で
関東だけではなく遠くからも多くのプレイヤーが参加してくれました。
そこは普段なかなか直接対決することはない地方勢と関東勢の
出会いがあり、真剣勝負がありました。
また、格ゲー界歴々の古強者でさらに珍しいキャラの「BET50」や
ヤン5人という冗談のような構成でありながらもそのテクニカルさと実力は間違いない「ヤン5」
など、ユニークさと強さを併せ持つチームも多く参加していました。
こういったことも、観客を盛り上げる要因になりました。
3、プレイヤーのタレント性
■ウメ速:第二回TOPANGAチャリティーカップ 写真などまとめ
【http://blog.livedoor.jp/umesokunews/archives/3364108.html】
格ゲー界のニュースをまとめるサイトにこんな記事が載りました。
格ゲーのこと、プレイヤーのことを知らない人にとっては
「なに、この人たち?」「なんでこんな普通の人の写真載せてんの?」
と思うことでしょう。
実はこの人たちは、格ゲー業界の人なら知らない人はいない
カリスマ性あふれるトッププレイヤーなのです。
特に、ウメハラ、ヌキ、sako、ハイタニ、ときど の
“格ゲー五神”と呼ばれる5人の集合写真は
格ゲーの年表に載るレベルのトピックスだったりします。
約7年前に「格ゲー五神」と呼ばれだした五人でしたが
実は同じゲームを同時にプレイすることはありませんでした。
カプコンのゲームを中心に様々な格ゲーで優秀な成績を収めていながらも
同じタイミングで全員がそろうことはありませんでした。
それが今大会で五人そろいました。
まさに歴史的な出来事でした。
TV業界的にいうとBIG3が同じ番組に出演するくらいの出来事でしょうか。
スパ4ver2012には
五神のほかにも格ゲー界のトッププレイヤーがひしめいています。
また、今までスト系には参加していなかった格ゲープレイヤーも多く参加しています。
バーチャで有名な板橋ザンギエフさん、KOFやGGXXのトッププレイヤーネモさんなど
上げればきりがありません。
SNKのザ・キング・オブ・ファイターズは
今までSNKの人気キャラクターオールスターズ格ゲー話題になりましたが
スパ4は結果的に「格ゲー有名プレイヤーオールスターズ」になりました。
そういった有名なプレイヤーが集まることで、
なお一層プレイヤーのカリスマ性、タレント性はあがりました。
4、そしてこれから、課題と希望
正直なところ、現在格闘ゲームという文化は
善意で成立していると思っています。
大会はゲーセン、もしくはTOPANGAのような団体の手弁当で成り立っています。
業界としての広報機能はありません。
ウメスレ、そのほかまとめブログのようなものが情報源です。
前節でとりあげた五神集合写真など、
大会時プレイヤーの写真を紹介してくれるsako嫁ことあききさんには
自分も含む動画勢はほんと感謝していると思います
これからも、格ゲーが文化としてあり続けるためには
課題が多くあると思います。
プロゲーマーが生まれ、ニコニコ動画など協力していただける企業が発生したからこそ
ビジネスとしてしっかりお金を生み出すシステムを作り出さないと
見切られて殺される可能性があります。
格闘ゲーム最大の希望は「格闘ゲーム好きな人はこれだけいる」ということです。
ガチ勢、エンジョイ勢、動画勢、ベガ立ち勢、家庭用勢、ゲーセン勢
いろんな言い方があります。
いろんな人がいろんな立場から、いろんなスタンスで格ゲーを楽しんでいます。
格ゲーが好きな人がいる限り、格ゲーはなくなりません。
なんて夢みたいなことは言えません。
ゲームメーカーが格ゲーを作らなければ終わります。
経営が成り立たなければゲーセンは閉店します。
ビジネスという側面から文化は殺されます。
カプコンが格ゲー作らなくなったとき、
聖地だった有名なゲーセンがつぶれたとき。
たしかに格ゲーという文化が消滅寸前でした。
格ゲー文化の体力ゲージが赤く点滅してたのは
当時、学生だった自分でもはっきりとわかりました。
だからSNKが復活しKOF2001を発表したときは
嬉しくて泣きました。
アークシステムワークという会社が
ギルティギアという新作格ゲーを出したときは
興奮しました。
カプコンがストリートファイターの新作を出すと聞いたときは
耳を疑いましたがそれ以上に喜びました。
しかしそれでも格ゲーが好きな人がこれだけいます。
みんなで考えようじゃありませんか。
格ゲーの地位を向上させる、
少しずつお金を出す、
魅力を他の人に伝える。
きっとできることがあるはずです。
みんなでちょっとずつでいいんです。
みんなで協力すればきっと実を結びます。
だってわたしたちはみんな
残り体力0ドットからでも逆転する、
そういう対戦をするのが、見るのが好きな同じ”格ゲー勢”じゃないですか。