放映前の事前番組で、山田尚子監督が、抒情詩としての平家物語を描いてみたい、と。今までにない平家物語にしていきたいとかたっているようで、非常に期待感が高まりました。
途中途中ではさまる琵琶の演奏がかっこいい。
徳子(CV早見沙織)が可愛くて、可哀想で、この時代の女って感じがして辛い。
3話冒頭、びわの船酔い、悠木碧の嘔吐がうますぎて、見てるだけでもらいゲロしそうになった。演技がうますぎるのも考え物だな。
平重盛が繊細な苦労人として描かれており、平家のしんどいところを担っているようで見ていて苦しい。同じように見える琵琶を救ったのも彼なりの生き方だったのだと思う。息子維盛も似ているので不安。
琵琶法師たちに語り継がれた平家物語。合戦のシーンは琵琶法師の語りによって表現された。傷ついた平氏も「戦うは武士の習い」と自らを慰めるように言っている。誰も幸せにしないのに、清盛の言いなりに戦わねばならぬの辛すぎる。徳子の「許す」が救い。
戦に負けて清盛の逆鱗に触れた維盛。流罪は免れるも、平家の武士としてたたかわねばならぬと意気込む。父に似て芸術を愛し、戦に向かない正確なれど、歴史の奔流は彼を再び戦へ押し流す。
園城寺の恨みとして興福寺に攻められるの、自業自得ではあるし、他のいろんな恨みが重なり合ってのことだが悲しいな。あと寺に火をつけるのは、戦になっても避けたいことで、この時代の仏教の重みを感じる。このあと清盛の謎の病、水をかけてもすぐ蒸発するほどの高温ってなんなんだ。ここは少しギャグポ差を感じてしまった。しかし、遺言の最後が、頼朝の首をはねろのあとに徳子のことが出てきたのはちゃんと父親の側面も大きかったんだな。
上皇が危篤の中、崩御後の身の振り方を命ぜれた徳子。清盛も刀を出されてはそれ以上言えず、後白河上皇に後妻に入れる計画は諦めた。この計画は平家の地盤を固めるための計画という意味もあろうが、単純に旦那を亡くした娘を案じての意味もあったように思える。でなければ、本人の拒否だけで諦めるような男ではない。
清盛が亡くなり崩壊し始める平家。平 資盛に出ていくように言われるびわだが。これはこのまま平家に居ては不幸になると予想した平 資盛のやさしさかもしれない。
木曽義仲との戦で地獄を見て敗走した維盛、父ゆずりの繊細で戦に向かない性格。
大宰府への移動、船だからびわが見た徳子の未来が予感されて不穏すぎる。
九話序盤、白拍子たちの生足描写、『けいおん』思い出す。妙なエロスを感じる。このシーン要るのか?とも思うけど。
木曽義仲軍は狼藉を働きまくっており、ちゃんと悪役に見えるな。平家視点じゃなくてもこういう側面はあったと思うけど、源氏視点だと見えにくいだろうな。
敗走に次ぐ敗走で疲弊した清経の自害。
母に会い、自分のできることを見つけたびわ。何もできなくても祈ることはできる。平家の行く末を見届けることに。
征夷大将軍を要求した木曽義仲は後鳥羽上皇の僧兵と闘い、鎌倉源氏に敗れた。鎌倉源氏はそのまま平家を追い攻める。常々、最後まで雄々しく立派に戦うと誓っていた敦盛は一騎打ちに敗れた。
壇ノ浦の戦い、結末を知ってるせいか、最初平氏が押してるのがフラグに見えて怖すぎる。徳子と帝も船でほぼ最前線まで出てる状態が怖すぎる。ここまでびわが寄り添っているのに驚いたが、徳子生存フラグだったのか。この時代でこれだけ男性キャラが多い中で、本当の主人公は徳子だったみたいな構成にびっくりした。最後、法皇に語る徳子が妙にセクシーで困った。
源平ってやっぱ源氏側の物語を多く見るから兵士は敵みたいな感情があるけど、平家側の視点で肩入れして見ると、後半はだいぶ悲しい。OPの幸せそうな平家たちの描写ももう二度と戻らない懐かしき日々で悲しくすら見える。ラスト祇園精舎の兼ねの声、、、に重ねて表示される幸せそうな一門の集合写真はほんとうに悲しい。敗北=一族自害の壮絶な戦から、個々に帰結するラストは美しかった。