漫画感想/やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。@comic 10巻(伊緒直道・渡航・ぽんかん8)

原作の魅力を損なうことなく漫画に翻訳している最高のコミカライズのひとつ

 

大ヒットラノベのコミカライズやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。@comic』10巻が発売されました。

 ●関連記事

 

生徒会長選挙という新しい依頼が持ち込まれる。その中で、前回の修学旅行での解決方法について不和が生じた奉仕部の三人。それぞれ別のやり方で依頼に対応することになるが、八幡の自分が泥をかぶるやり方を許せない二人がとった行動とは。

10巻では、原作の文章を魅力的に生かす表現がすごく目立ちます。漫画版から初めて俺ガイルに触れる読者もいますが、大半は原作既読組でしょう。原作のあの軽妙かつ印象に残る文章をいかに漫画に落とし込むか。原作を知っている人を納得させる翻訳は難しいと思われますが、キャラクターの表情や小回り、背景の演出など総合的に魅力的なコミカライズになっています。特に前半は八幡が悩むシーンが多い、この依頼の問題や、自分が取り組む理由に悩む八幡、3人が対立するシーンなど、文章だけではさらっとしていたところを、うまく立体的に絵に起こしています。10巻以降もおそらく原作通りの展開が予想されますが「原作のあの展開、あのシーンを漫画で読みたい!」と思わせてくれる素晴らしいコミカライズです。

 

 

 

 

 

チラシ裏のコーナー
単行本巻頭カラーをこんな贅沢に使えるのは、カラーイラストを売りにしなくてもちゃんと面白い作品になっているという原作への信頼だろうなぁ。単行本最初にあのモノローグで、最後にあのモノローグ。カラーとかそういうことを抜きにして、あの原作をうまくコミカライズできれば、いい漫画になるっていう理解、嫌いじゃない。特にここは大事で、ターニングポイントになるところだし。ひきがやくんの目の腐り具合が進行してきて、黒咲練導みたいになってる。全体的にはかわいい画風なのに、ひきがやくんと空気が止まるシーンの演出だけホラーじみてて最高。好き。