漫画感想/悪魔を憐れむ歌 4巻(梶本レイカ)

自分を取り戻した阿久津
オペラはまだ、終わらない

 

猟奇的な未解決事件「箱折」を追うクライムサスペンス『悪魔を憐れむ歌』4巻が発売されました。ちょっと分厚めで、#12から#19まで収録。帯には”第一部完!”とされていますが、あとがきやツイッター情報に依ると打ち切りらしいです。非常に残念。

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4巻は始まりからクライマックスです。ガブリエッレの拉致から脱出した四鐘を藤が訪問。ジョークを交えつつも緊張感のあるやり取り。そしてついに動き出す四鐘。物語は急展開を迎えながらも、様々な方面から真実が語られます。衝撃的な情報が次々と脳みそに注入される様は、まさに脳内麻薬。カーチェイスの疾走感と脳みそに注がれる情報の疾走感が混ざっていく感じ、とても楽しい。

物語の重厚な展開に加えて、それを支える台詞や作画の重さも非常に素晴らしいです。本作に頻出する重要なワードとして”オペラ”があげられますが、まさに歌劇のような印象をうけます。台詞のリズミカルな愉快さ、声に出してみたくなるようなテンポが、ある意味重すぎる展開と作画を引っ張っているように感じます。メリハリのついたコマ割りも、読みやすさの一助となっており、こんなに重いのに読みやすいのすごい。

惜しむらくは、完結していないこと。謎が謎を呼ぶクライマックスをここまで広げておいて、ここで終わりかよ!という感じです。読みたい!続きが読みたい!すべての読者がそう叫ぶでしょう。オペラはまだ終わっていません。いずれかの形で、オペラの続きに出会えることを祈っています。

 

 

チラシ裏のコーナー
梶本先生、ひとまずお疲れさまでした。好きな作品が打ち切りになるたびに『G戦場ヘブンズドア』の猪熊さんの台詞を思い出します。「強い思いをとても不安定で危うい場所から発信してたんだって」自分には何もできないけれど、好きな作品を好きだと発信することで、そういうことが少なくなればいいなというのも、このブログを続けている理由の一つでもあります。web公開用に続きを執筆されるとのことですが、梶本先生の負担になりすぎない方法が見つかれば良いのですが。

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