●非常に繊細で、人の気持ちに寄り添う作品。短い予告映像や、最近多いバンドものと比べて同じようなのを期待すると肩透かしを食らうかも。合う人には合うけど、わかんない人には全然わからないかも。個人的には、カトリック系女子高のノリがよくわからず、ちょい苦労した。それが作品の肝ではないけど、どのくらいのリアリティラインなのかを理解するのが手探りだったため、乗り切れなかったのが残念。
●最後ステージで終われるのかな、と思ってたけど、ステージ→別れでフィニッシュしたのが個人的に消化不良。この過程をもっと解像度高く見れていた人には十分だったと思うけど、もうひとつ何か欲しがってしまった。「色が見える」にもっと、異能力的な解決とか展開が欲しくなってしまったんだよな。人にはわかってもらいにくい特性の一つとして扱われてしまったのが、ガサツな男の子には物足りんかったんだよ。そういうところはほんとに、新海誠と真逆だ。
●『リズと青い鳥』『聲の形』など、個人的に難しい作品ながら、見続けたいと思っている監督なので、懲りずに次の作品も楽しみにしたい。Not for meを恐れずに映画見たいと思わせてくれる作家。