年の初めの風物詩『日本オタク大賞2017』に行ってきました。時間調整をミスってロフトプラスワンにギリギリ到着。なんとかまだ場内が空いているうちに席に着けました。ロフトプラスワンはだいぶ久しぶりです。席の配置が少し変わりました!?イベントによって違うのかな。前より見やすい気がする。
いつもどおり、お店の前説からのプロデューサー野田さんの前説。平野さんの本宣伝PVちょっと面白かった。ドリンクチケットもらえるらしいし買ってもよかったなぁ。登壇者呼び込みから月ごと振り返り。ほぼすべての月にガイガン山崎さん推しの女優さんにまつわるトピックスがあって盛り上がる。本編で取り上げないからバランスとったのか声優さんの話題ピックアップ多め。この後にあるジャンル別がメインコンテンツだから月別はサラッとだけど、これだけで2,3時間トークライブできるよなぁ。1か月区切りだけども、マンスリー放送でやってるか。
ここからジャンル別登壇者による発表。登壇者ごとに5つのトピックスで、各ジャンルの2017年を総括。その後、オタク大賞候補をあげ、各登壇者と観客の投票で2017年のオタク大賞を決定します。登壇者のトピックスの作品や人物がそのまま候補になるわけでもなく、ノリで盛り上がった話題や観客のアンケートやツイッターなどからも候補になります。トピックスで挙げた現象からその代表的な作品が候補になったり、本来トピックスに関係ないけど話が盛り上がってしまったものが候補になることもあります。オタクのバカ話の延長線上みたいな雰囲気です。
ちなみに過去の大賞はこちら。
2016年:映画『シン・ゴジラ』
2015年:書籍「『宇宙戦艦ヤマト』をつくった男 西崎義展の狂気」
2014年:ドラマ『アオイホノオ』(特に島本先生の演技に)
2013年:映画『パシフィック・リム』
2012年:マンガ『ザ・松田~ブラックエンジェルズ~』
2011年:映画『電人ザボーガー』
2010年:はやぶさ・アニメ『ハートキャッチプリキュア!』
シンゴジとパシリム以外は、とてもその年を代表するオタク作品とは言えない感じがいい味出しています。これがオタク大賞です。他で絶賛されたり賞を貰っている作品は選ばれにくいのですが、シンゴジとパシリムはそれを回避できないほどその年を代表するオタク的な作品でした。
では、ここからジャンル別。敬称略、担当ジャンルは正式に発表されているわけでないので例年の感じから。
前田久 担当:アニメ
Netflix、湯浅政明、けものフレンズ、など
Netflixなど海外資本の配信事業の場合、企画の立て方から違うから日本とは違う毛色の作品も作られやすいとか、海外作品がすぐ日本で見れるからカートゥーンすごい見てる話とか。けものフレンズは1~3月期に放映されて、2期発表からの監督降板?まで含めて2017年アニメでは大きい話題になりましたね。
志田英邦 担当:ゲーム
switch発売、ゲームメディア、アズールレーン、e-sports など
任天堂新ハードやドラクエ最新作などポジティブな話題が尽きなかった2017年ゲーム業界も志田さんにかかれば、素敵な毒舌風味に。御大3名がしっかり関われるのはラスト?なドラクエや、廃れてきた紙のゲーム雑誌、ゲーム内に没入するVRと外で盛り上がる観戦文化などを擁したe-sports、など様々な話題が出ました。面白かったのはDMMがPS VRに対応しているAVを大量に出していて、さらに最近は「VR酔いしない!」ってのがセールスポイントになっている話。いつの時代も最新技術とエロは切っても切れない関係なのか。
奈良崎コロスケ 担当:漫画、日本映画
ハンチョウ、高齢女子漫画、ラップ漫画 、あゝ、荒野など
福本スピンオフや高い壁で囲まれた設定似てる作品に意外な2匹目のどじょうがいた話。トネガワ面白いけど、まさかさらにスピンオフが出てそれもおもしろいなんて誰が予測できたか。グルメ漫画は企画を立てやすく、量産しやすいことで興隆を誇ってきましたがさすがに食傷気味になってきましたね。福本先生作品以外でも、独特な世界観を持った有名作品のスピンオフが続いたりするのかな。『トネガワ』『ハンチョウ』のヒットは、原作の萩原天晴さんのチカラが大きいそうなので、なかなかマネできるものではなさそうですね。高齢女子漫画は自分も最近気になっていて、女性向け漫画誌チェックしたりし始めていたんですよね。確かに昔レディースコミックと呼ばれていた分野も、主人公女性の年齢ってせいぜい30代だった記憶がありますが、最近もっと上の年齢層の主人公が出てきました。
東海村原八 担当:模型など立体物
スーパーカー、悲願達成バーザム、二パ子、シタデルカラー など
実は個人的に、一番楽しみにしているジャンルです。一番知らないジャンルなので、全トピックスが新鮮に感じられて楽しい。スーパーカーは現在そんな目的で購入されているなんて。海外の金持ち向け製品になってるんだなぁ。模型工具の話も面白くて、今度ヨドバシカメラ行ったら工具コーナー覗いてみようと思いました。細かい違いはわからなくても、新しい塗料が開発されている!と知るとワクワクしますね。「ひとつ120円くらいの新しい塗料の話で、おじさんが盛り上がってるw」って気持ちわかります。ああ、あとHGバーザムも買ってみようかな。
藤田直哉 担当:文芸、SF、ネット、陰謀
バーチャルYoutuber、フェイクニュース、フィンランドは存在しない説 など
実は最初の挨拶でいきなり私生活をバラされた藤田さん。発言調べられたら一番ヤバそうな仕事は、このオタク大賞である気がするのは私だけでしょうか。「わたしたちはSNSで操作されている!」「フィンランドは存在しない!」など、キャッチーなプレゼンで場を盛り上げてくれました。あとで「文芸がないじゃないか!」なんて突っ込まれていましたが、藤田さんご本人が後日ツイッターで補足していますね。実は真面目に今年の総括していらしたようで。あの盛り上がり重視の発表だと、真面目な感じには受け取られないのは仕方ないですね。でも、この感じのままが好きです。
ガイガン山崎 担当:特撮、映画
山崎貴、石油王アイゼンボーグ、スターウォーズ~最後のジェダイ~ など
最初からずっと某女優さんネタでいじり倒されていたガイガン山崎さん。賛否両論ある『スターウォーズ~最後のジェダイ~』についても「スターウォーズは毎日考えるもの」という名言を残しました。Twitterでも話題になった「アイゼンボーグを復活させた石油王」の話も出ました。特撮と映画は門外漢なので、あまりわからないジャンルですが、楽しく盛り上げてくれました。
ジャンル別の発表が終わり、さて大賞選定作業です。札に書かれて出てきた候補は以下の通り。
シタデルカラー
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』
バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん
フィンランド
山崎貴
『1日外出録ハンチョウ』
『けものフレンズ』
HGUCバーザム
石油王
すでに登壇者の投票は終えており、その投票数は隠されている状態になっています。ここから挙手による観客投票が始まります。シタデルカラー、ドラクエ、のじゃロリおじさん、と右から順番に挙手を集計するも、あまり手が上がらない、、、、。これはもしかして、、壇上も会場もそう思った通り、挙手は最後に集中しました。結果、観客票を得たのは『けものフレンズ』、バーザム、石油王。この観客票3票に登壇者票を加えた合計で日本オタク大賞が決まります。
そして登壇者投票の数を、確認するターンに移ります。いつもは、各話題の盛り上がり具合から大賞の目が薄いものから開票していきます。しかし今回は特に確認するでもなく暗黙の了解から観客投票と同じ順番で開票が始まりました。シタデルカラー1票、ドラクエ2票、、、ハンチョウ3票、けもフレ4票。開票が進みますがこれはどう考えても計算が合わない。バーザム3票。全然計算が合わない。そして石油王は、、、なんと13票。この瞬間、2017年日本オタク大賞は石油王に決定しました。
思えば2017年は景気の悪い話が多かったです。日本の景気が国内オタク各ジャンルにも影響しており、お金がないという話が多かった気がします。その中で、中国発信のアズールレーンやNetflixなどの配信事業など、海外資本の話題が増えました。その中で、投資にスーパーカーを購入しアイゼンボーグを復活させた石油王。Twitterでも話題になりましたし、日本人にとってあまりに現実味がなく、よくわからない存在であるという意味で2次元的な存在、いや概念に近いものでもあります。アニメもゲームも出版もお金がない、という現状に大きな夢と「よりによって復活させたのがそれかよ!」というツッコみどころを与えてくれました。
それでは、日本オタク大賞2017の石油王とアイゼンボーグを飾るに相応しい一言で幕を締めたいと思います。
『アイゼンボーグは、日本中すべての居酒屋で話す「俺が石油王だったら●●復活させる」に出てこなかった』
また来年、日本オタク大賞2018でお会いしましょう。
Nintendo Switch Joy-Con (L) ネオンブルー/ (R) ネオンレッド
イベント中に「集客が右肩下がり」という話が何度か出ました。たしかに、昔はチケット取るの大変だったり、とれても番号後半だった記憶があります。会場もギッチギチで息苦しかった。去年と今年はそんなに混雑してなかったもんなぁ。観客としては快適でありがたいんですが、もっと暑苦しいくらいが盛り上がるだろうなぁ。東海村さんが「いまは、作り手側のトークショウがあるし」と言ってたけど、個人的には、ライターさんメインのこの形式好きなんで、続いてくれると嬉しいなぁ。
本文中ではお名前出せなかったのですが、司会の宮さんもお疲れさまでした。気を抜くと永久に終わらないであろうあの面子のトークを、なんとかまとめてタイムキープされていたのは本当にご苦労様でした。裏方さんも含め、みなさん本当にお疲れ様でした。
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