【漫画コラム】ラブコメの主人公はヒロインである論





日々ラブコメを読む生活の中で、ついに天啓を授かりました。

少年誌やラノベにおけるヒロイン複数制ラブコメの主人公はヒロイン側であり、視点になってる一見主人公の男は脇役または舞台装置のようなものではないか。

ここで言う『ヒロイン複数制ラブコメ』というのは「ヒロインが複数登場し最終的に主人公が誰と結ばれるか確定していない物語」のことをさします。少年誌・ラノベと限定したのは、主人公がだれも結ばれないとか、バッドエンドなどギャルゲー、エロゲーのアクロバチックな結末を除くためです。あれはエンディングが複数用意できるゲームという媒体を使っているからできる話であって、結末一択の漫画やラノベではどうだという話にしたいので。

以下、説明しやすくするために、ラブコメの視点者である主人公の男を男主人公、複数いるヒロインを女主人公を表記します。

男主人公が誰を選ぶかは割と些細なことで、俺たちは各女主人公が選ばれるか否かの部分にドキドキや興奮、場合によっては悲しみ、など感情を揺さぶられているのではないか。男主人公は誰かと結ばれることは確定しています。彼が誰を選ぶかで盛り上がっているんじゃない。誰が選ばれるかで盛り上がっているんだ。『いちご100%』話題になったのは、「真中東條を選ばなかった」ではなく「東條が選ばれなかった」からだと。

アニメ化もされたラノベ『異世界はスマートフォンとともに。』では、手違いで死んでしまった主人公が、いろいろな能力を付加され無敵状態で異世界に転生します。本作ではいろんな女主人公が登場し、男主人公のハーレムはどんどん膨れ上がってきます。男主人公は授かったスマホとチート能力であらゆる問題を即解決していきます。あまりのサクサク解決ぶりにトラブルが物語の重要なファクターではないことを読者はすぐに理解します。トラブルの解決そのものにカタルシスはなく、女主人公男主人公に引き合わせたり、好感度を上げるイベントでしかないのです。男主人公のこと好きになった女主人公のかわいい動向を見るアニメに仕上がっていました。

コミックメテオにて連載中の『お前ら全員めんどくさい! 』でも、多くの女主人公が登場します。ツンデレ、委員長、ビッチ、女王様、JCと様々な属性の女主人公たち男主人公は、プレーンな男性教師。彼女たちにかき回されますが、その行動は特筆すべきことはなく、それよりただただ女主人公がかわいい。彼女たちの様々なかわいさを味わえる作品です。

『ぼくたちは勉強ができない』最近のジャンプ掲載分で、あしゅみー先輩なる主人公が通う高校のOGが登場しました。他の女主人公とは接点がありませんでしたが、男主人公があしゅみー先輩と居るところに偶然他の女主人公たちと遭遇し、顔見知りになりました。女主人公はみんな知り合い、いやできれば親友など深い関係の方が、同じ男を取り合う際にドラマを作りやすいからでしょう。3巻時点で、理珠とうるかの気持ちを知って右往左往する文乃、というコンテンツができあがっています。ここにあしゅみー先輩を混ぜたほうが面白くなるのはもはや必定。やはり自分の仲のいい人と同じ人を好きになるというのは気が引けるものです。どちらかが選ばれないのですから。自分の好きな気持ちと、友達の好きな気持ち、どちらを選ぶのか、どちらも選べないのか。女主人公が選ぶんですよ、これは。奇しくも本作は筒井大志先生の作品です。多くの女主人公が登場し誰が選ばれるかで話題になった『ニセコイ』、そのスピンオフマジカルパティシエ小咲ちゃん!』を描いたのも筒井大志先生です。ニセコイで選ばれなかった女主人公を主役として物語を作り上げたあの記憶は、多くの選ばれなかった女主人公ファンを救いました。はたして『ぼくたちは勉強ができない』ではどんな結末を、どんな彼女たちの表情を、読者に見せてくれるのでしょうか。

 

っていう見方もあるんじゃないかという話です。「火事と喧嘩は江戸の華」みたいな話です。もちろん、男主人は舞台装置でも脇役でもなく物語の主人公です。あえて個性的で魅力的な彼女たちを注目して読むと、また違った味わいがあるんじゃないかという提言です。さらに言えば、ラブコメというのは男主人公を投入した萌え四コマである、という暴論まで発展します。これについてはまたの機会に。それではよいラブコメ読書生活をお送りください。

 

 

 

 

 

 

 

チラシ裏のコーナー
そもそも自分はラブコメに関して主人公に自己投影型の読み方をしていません。どちらかというと、カイジの人間競馬を観戦する金持ちみたいな状況で読んでます。そういう前提なので、男主人公に対してドライなんだよなぁ。ガッツリ主人公に感情移入する読み方できる人うらやましいです。

 





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