アニメ映画感想/ルックバック





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話題の『ルックバック』見てきました。平日昼間なのに結構混んでるのすごいね。

 

■基本的な展開は漫画原作と同じ。いくつか追加カットもありますが、なめらかに物語に溶け込んでいて、鑑賞後に原作読み返すまで全然気が付かなかった。編集さんと電話でネチネチしつこくアシスタントの愚痴を言うシーン好き。

アニメーション表現の技術について言及できることはないけど、藤本タツキ先生の描くあの何とも言えない登場人物の表情が魅力的に再現されていてびっくりした。派手なことは起こらないけど全く画面から目が離せなくて、1時間にまとまっててすごいとも思うが、これが90分だったら見るの疲れただろうなと思う。原作を解釈して過不足なく翻訳してるのに、藤野が評価されて畦道を一人スキップするシーンと、二人で頑張ったころを思い出すシーンがめちゃくちゃ細かく長尺になっててズルいぐらいに良かった。本作はココなんだ!という押山監督の声が聞こえた気がする。

タツキ先生が映画が好きで、漫画制作にも映画を意識したカットや展開が散見されるけど、それが映画に逆輸入されているんだからそりゃあ違和感なく見れる。漫画・映画の両方見せたら、映画が先って思う人多いだろうな。

 

■主要二人の声優さんすごかった。新人さんみたいだしあんまり期待しないでおこうと思った自分にシャークキックしたい。もうこの二人しか考えられん。漫画読んでもそうそうこの声だったわ、みたいな気分になる。

 

■鑑賞特典の原作ネーム。登場人物の名前や作中作のタイトルなどが違うものの、必要なエッセンスは充分に感じられて、原作漫画の単行本も持ってるのに、すげぇ繰り返し読んでる。擦り切れそうなのでもう一冊欲しい。無くなる前に貰いに行くか、、、。

 

■「マンガじゃなくても死に物狂いで頑張ったことがある人には刺さるし、そうじゃない人には~」みたいな言説を見かけたけど、個人的にはまぁそうかもしれないな、ぐらいには思う。負けられないものがあって、死に物狂いで努力してそれでも駄目で諦めて、でも一番評価してほしい人に評価してもらえて復活して~という話で、同じ経験を経た人の記憶を呼び覚ます度は高いと思っちゃう。原作公開時、漫画家をはじめとしたクリエイターの感想が凄まじかったのも、そうだろうな、と。自分も読んで「うおーすげー!120点!」と思ったけど、過去を掘り起こされたクリエイターたちは「はぁ、これはすごい。すごすぎる、、、ほんとすごいよ、、、(泣」みたいなテンションで、捉え方の違いを感じた記憶がある。

ただ、そういう経験をしてこなかった人がうんぬんという指摘は、本当に余計な話だとも思いますが。

 

■「創作は現実を変えていける」話か「創作は現実を変えたりしないけど、それでも描き続ける」話なのかも、受け取り方は様々。モチーフとなった悲しい事件があるような気もしますが、じゃあ本作を見てその現実を乗り越えていけ、と本作にすべて任せるのもちょっと荷が重い気がします。自分としては、ただただすげぇ作品だ、みたいなアホで単純な感想に納めておきたいです。それでももう一度見たくなるし、本当にすげぇ作品だと思うので。

 

 

 





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