漫画感想/「子供を殺してください」という親たち 2巻(鈴木マサカズ・押川剛)





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淡々と描かれる現実
妄想より怖い

 

衝撃の実録ドキュメンタリー『「子供を殺してください」という親たち』2巻が発売されました。2巻にはケース3の中編~後編、ケース4前編~後編が収録されています。

1巻から続きのケース3「母と娘の壊れた生活」は意外に順調に事態は収束します。1巻では、男性の暴れる患者が多く、説得にも暴力で返される展開が多かったため、どうしてもそれが頭にちらついて、似たような展開を予想していました。淡々とことが進んでいくのが逆に怖いレベルでした。しかし現実はこんなものかもしれません。家を出た娘が、残された2人の壊れた生活を確認すること、そのものに大きな意味があり、本当に向き合っていくのはこれからだと、そういうエピソードでした。

ケース4「親を許さない子供達」は、患者本人とは別の要素を追及しています。医療従事者、家族など、様々な要素が、本人を医療から遠ざけている原因になっていることです。病院をたらいまわしにされる本人に向かい、寄り添い続ける押川という男の強さも感じます。ユーモラスな言い回しを巧みに使いながら患者に接する押川。決して本人の言い分、妄想を否定せず、それでも現実を提示し、解決への道をつける。はたして彼が失敗するようなことがあるのか、今後それが描かれるのか不安と期待が入り混じった気持ちです。

 

 

チラシ裏のコーナー
巻末コラムでも言及されていますが鈴木マサカズ先生は現実を追及する表現の先駆者になるかもしれませんね。ドラッグ問題を描いている『マトリズム』も、淡々と現実を綴っているようで波の少ない話なんだけど、妙に惹かれます。

 

 





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