話題のタワマン百合バトル漫画『おちたらおわり』5巻です。
流れるようにすべてが繋がっていく展開には息をのみます。次々と繰り出される孔美子の策略。巻き込まれてゆくママ友たち。子供の髪を結ばない描写が頭のケガに気が付けないことに繋がっていたり、読者に分かりやすい伏線が連続で張られているのがお見事。心休まることなく次々と”おちてゆく”展開に、変なカタルシスを覚えてしまいそうです。
主人公明日海以外は、すべて孔美子の思いのまま。作中に描かれている以上に、タワマンや保育園などすべてに監視カメラ&盗聴器ついてるんじゃないかと思えるくらいことがスムーズに展開していきます。5巻ラストに児童相談所が出てくるシーンなんかぞっとしました。こいつ、なんでも使ってくるぞ、と。
ママ友たちの表情も魅力的で、時折みせるおぞましい顔が目を惹きます。生牡丹海老をすするシーンと孔美子が悲しみ狂うシーンの作画が大好き。
チラシ裏のコーナー
すえのぶ先生自身がヤンマガ出張掲載で「バトル漫画として楽しんでいただければ」とコメント出してるので、男性はそういう楽しみ方でいいんだと思う。逆に家族問題にリアリティ感じられる人は、それを楽しむというよりホラー漫画の文脈になっちゃうんじゃないだろうか。人間関係の問題が、漫画の主たるテーマになるかどうかは男性誌・女性誌の分かれ目だよなぁ。