漫画感想/少女ファイト 18巻(日本橋ヨヲコ・木内亨)





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少女と少女の、いや人間と人間のぶつかり合いを描く青春群像劇『少女ファイト』18巻が発売されました。fight.157「スノーフレークオブシディアン」からfight.164「ユナカイト」まで収録。巻頭カラーの黒曜谷と青磁がめちゃくちゃかっこいい。ポスターにして欲しい。

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春高バレー準決勝 青磁戦の核心は、小学生時代まで遡る。各自様々な思いを胸に、コートで対峙する少女たち。

曲者ぞろいの本作の中でも、とびっきりのぶっ壊れキャラクター雨宮摩耶。彼女の生い立ちと企みが少しずつ明かされていく度に、戦慄が走ります。彼女の救いとは、彼女に振り回された少女たちの想いとは。【「変われない」生き物】というモノローグには、戦慄が走りました。三國会長に提示された僅かな可能性、彼女のこれからの物語が気になって仕方ありません。

イブニング掲載時は、続きが気になって掲載誌で読んじゃうのですが、改めて単行本で読むとまた違った良さがあります。感情の移り変わりが分かりやすいのもありますし、逆に1巻からつながっている物語なのに、1冊1冊で完成された作品のような盛り上がりと結末があるように思えます。

個人的に大好きな話は、fight.159「カーネリアン」です。大石練が主人公かつ特異点であることを、読者はメタ的に理解していますが、それより深く丁寧な小田切の考察が語られます。みんな薄っすら感じていたことがはっきりと言語化されるのは心地良いの一言に尽きます。絵や人物の台詞など繊細な情報が多い本作ですが、ところどころで読者の理解を整理する、こういうエピソードが挿入されます。自分はざっくり理解で読み進めてしまうので、ありがたいです。できるだけ多くの読者を連れて最後まで物語を表現しようとする姿勢が感じられて、読んでるこちらも嬉しくなります。

 

 

チラシ裏のコーナー
最初、本来学校の「体育」で教えるべきようなことが『少女ファイト』に入ってるんじゃないかと思ったけど、体育じゃなくて哲学や倫理や道徳と呼ばれるもの方が近いような気がしてきたし、本当は人間関係の中で学ぶべきことなのかもしれない。それだけ本気で人とぶつかり合うことができれば幸せだよな。

 





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