漫画感想/1日外出録ハンチョウ 2巻(萩原天晴・上原求・新井和也)

 

地下暮らしをしながら「1日外出券」で地上に出ては、贅沢三昧の日々を過ごす男、大槻班長‥! 美味い飯を追い求め、のたり外出、海・山・京都‥! 風邪を引いても、邪神に心を支配されようとも‥‥1日外出は、やめられないっ‥! 今日を頑張る全ての大人に捧ぐ、『カイジ』の飯テロ・スピンオフ第2巻‥!

 

福本先生の出世作カイジの人気キャラ、地下強制労働を取り仕切る極悪非道の大槻班長。彼が非道の限りを尽くしてかき集めたペリカで得る一日外出を描く、福本スピンオフギャグの第二弾『1日外出録ハンチョウ 』の2巻が発売されました。

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2巻では、海、山、京都と、バリエーション豊かに地上を楽しむハンチョウの様子が描かれます。C班班長の小田切や木村、沼川、石和など、一人旅より2人や3人で出かけることが多くなりました。ハンチョウが、外出玄人っぷりをアピールしつつ、トラブルに巻き込まれ、それを華麗に回避したり、ダメだったりとコミカルな展開が面白いです。よく考えれば、この一日外出のために、地下では他の労働者からペリカをせしめていたり、非道なふるまいをしていたはずですが、本作ではそんな一面を見せずに、ひとりの人間大槻として行動するのが面白かったりします。ちょっと世界観がズレているのが、コントっぽいんですよね。映画や幕末など知識があればさらに深く楽しめる大人のためのギャグ漫画として高い完成度を誇っています。

そしてもちろん福本ファンなら楽しめるポイントも盛り沢山です。先生っぽいネームや、言葉使い、コマ割りなど画面つくりの巧みさなど、本人より福本先生っぽいという物まね芸人みたいな面白さがあります。もし●●が●●だったら。みたいな本人は絶対やらないネタをやるのも、物まね芸人っぽいかもしれません。

個人的一押しエピソードは第14話「邪神」です。カイジでよく出てくる、イメージ表現の悪魔、化け物のようなものが、食欲の権化として直接登場し、ハンチョウと精神世界でバトルを繰り広げるのは、福本メタの極みです。この醜い邪神を飼いならし勝利するも、さらなる邪神を生み出してしまうという展開も、オチとしてはあるあるの領域ですが、ここまで福本節を倣っていると、逆にすがすがしく感じられます。やってることは『孤独のグルメ』の焼き肉回とあまりかわらないのですが、福本先生の、過剰表現魔などで表現するとここまで滑稽なコントになるという、不思議な一話です。

グルメギャグ漫画としての側面と、福本パロディとしての側面。ダブルスープのような深い味わいのギャグマンガとしてはずれなしの本作。もうひとつのスピンオフ中間管理録トネガワより短編ネタが多く、ネタ消費が激しいため、残念ながら少し休載するようです。またペリカとネタをためてハンチョウが地上に出てくるのを待ちたいと思います。

 

2 Comments
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