漫画感想/1日外出録ハンチョウ 1巻(福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也 )

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中間管理録トネガワ』の大ヒットをうけて生まれたカイジスピンオフ第2弾。ヤンマガ連載の『1日外出録ハンチョウ』の1巻が発売されました。

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ネーム形式で原作を担当しているのはトネガワと同じ萩原天晴、作画はトネガワと別のお二人です。それでも作画クオリティがすごい高い。というかトネガワと同じお二人だと思ってました。元アシスタントとか関係者なんですかね?
トネガワは会長という上司の無茶ぶりや部下の扱いに困るなど、会社組織あるあるネタがメインになっています。一方、ハンチョウはグルメネタです。1日外出という限られた時間でハンチョウは何を食べるのか。上司や部下の顔色を窺いながら仕事をしているトネガワとは対比的に、ハンチョウはとても自由に行動します。昼間からビールを飲みたいけど飲めないサラリーマンを肴に、大生をお代わりするハンチョウ。古なじみの店主の心遣いに感謝しグルなび採点、近所のお祭りに参加し差し入れまでします。24時間と限られた時間をゆったり豪快に使い、最後には粛々と黒服の迎えに応じます。借金背負って地下労働してるのになんでこんなに優雅に外出してるんだよ!!とツッコみたくなりますが、それがこの作品の肝でしょう。不自由な男が手に入れる一日だけの自由。その一日をどう過ごすのか、何を食べるのかこそがその人を表現しています。カイジ本編では、カイジたちを搾取し罠に貶める非道な悪役として登場しましたが、こんな人間らしい一面もあったのか、、と思わせてくれます。
1巻収録はほとんど1話完結です。それが最近のグルメマンガのフォーマットにのっていると同時に、一日外出というテーマにぴったしマッチしています。きれいに一話完結するので、雑誌連載時も気軽に読めます。1話完結のギャグ漫画ということで、表現も少し過剰に増されています。ハンチョウが昼からビールをあおるのを見て、自分もビールを注文しようとして止められるサラリーマンの絶望の表現がすごい過剰で笑えます。カイジ本編に登場する死の淵で絶望する人間、あれより絶望して震えてます。みんな死にそうな顔してソバすすってます。  他にもローマの休日を見る石和の異常に穏やかな目など、絵で笑わせにきてるところが多いです。
登場キャラクターもみんな人間らしくコミカルで笑わせてくれます。厳しく監視するつもりが気が付けば一緒に豪遊してしまう黒服宮本、ハンチョウと舌が合う名も知らぬ男、ハンチョウになついている側近沼川などなど。個人的に好きなのは6話です。ハンチョウはだれかと一緒に行動する時も、外出行動の主導権を握っているんですが、この話だけはどうにも主導権を握れず、名も知らぬ男に翻弄されてしまいます。そして最後のオチ。ちょっと不思議な話を思わせるあの流れから本当にくっだらない(ほめ言葉)オチが、この作品をグルメマンガというよりギャグマンガたらしめている一番のエッセンスだと思います。福本先生もこういう時事ネタやギャグを使うことがあるので、ネタのチョイスまで似せているところが天晴です(←ここもギャグです。特別読み切りの1日個室録ヌマカワで、カラオケ出てくるのも、「福本先生なんかJ-popネタ好きだよなぁ」とか思いながら読みました。

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