テレビドラマ化が決定した『ここは今から倫理です。』4巻。#16から#20、物語の大きな転換を迎える話を含んだ珠玉の5話です。
●関連記事
#16リストカット編後編。自傷行為自体が救いになっているから安直に「止めろ」とも言えない。そんな達観した視点を持つ高柳も気づかないうちに自傷行為を行っていた。職場でのささやかな自傷に、それをやめた先輩からのアドバイス。「結局自分も人の話を聞いてない」と自覚する高柳。論理のテンポがよく、高柳も自分のことについて考えてしまう解決編です。主義が相反する女性教諭やたばこというアイテムが、『鈴木先生』を想起させます。
そして#17はディベート。これも”鈴木裁判”を彷彿とさせ、序盤からワクワクしてしまいました。異なる意見をもつ2グループが、意見交換する。つい役割とは違う意見を言ってしまったり、自然と本音が出てしまう場作りが良い。個人主義も全体主義というくくり以上に、彼ら彼女らのもつ気持ち、体験を共有し、どれも一理あると理解する。読者にとっても、唯一無二の、最高の倫理体験だったのではないでしょうか。だからこそ高柳先生の最後の一言に、ドキッとさせられます。
#18は何度も、何度も読み返しました。卒業式中の先生の表情。いち子と対面した時の顔。思いを告げられている最中のあの顔。全部脳裏に焼き付いています。せんせの言葉のひとつひとつ突き刺さります。
そして、倫理の時間は次のステージへ。
Pingback: 漫画感想/ここは今から倫理です。5巻(雨瀬シオリ) | | 棚傘's LOG