漫画感想/ますらお 秘本義経記 ~波弦、屋島~1巻(北崎拓)





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約20年前にサンデーで連載していた『ますらお 秘本義経記 』が昨年の『ますらお 秘本義経記 大姫哀想歌 』を経て遂に続きの単行本が発売されました。1話では、前作最後の合戦「一の谷」の直後、京で休む義経一行が描かれています。義経と静のやりとりがあったり、弁慶、常陸坊、佐藤兄弟などおなじみの面々が登場し北崎ファン、ますらおファン感涙の一幕です。
2話以降は、今回の主役たりえるもう一人のもののふ「那須与一」を中心として話が展開されます。北崎先生いわく「海上で扇を弓で射るだけの男」をどう造形して漫画として面白くしていくのか。現在現役の漫画家の中でも稀代のストーリーメーカーである北崎先生が描く那須与一はこれからどんな活躍をしてくれるのか楽しみでしょうがないです。私は、北崎先生の描く鬼気迫る表情がとても好きなのですが、鎌倉時代が舞台の本作では現代劇よりこの表情が頻出します。人を斬る表情、人を疑っている表情、苦しい決断をする表情、どんな時にでも、表情はその人をそのキャラを包み隠さず、あからさまに表します。死が近く、生が貴重な時代だからこそ人間の根本的なな感情が顔に表れます。こういった表情を安定して描ける漫画家も最近は少なく、北崎先生はそれを魅力的に描ける数少ない作家のひとりです。これからも魅力的な、キャラクターではなく”人間”を描き続ける北崎先生のご活躍を楽しみにしております。

 

 

 

 





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